美少女がずっと俺を見てくるんだが?
「アリシアちゃんはどうして日本に来たの?」
「アリシアさん。やっぱり噂の通り?」
アリシアさんはいきなり皆に囲まれている。あの超有名人の娘がクラスメイトになった。アリシアを囲む輪の中に俺は入ってないが入りたいと聞かれたら二つ返事ではいと答えたい。だって、あのクリス・ミラーの娘だもん。世界的美少女とも称される彼女は既にクラスの人気者だ。俳優である父直伝のトーク力も凄まじくクラスメイトからの質問も詰まること無く捌き切っている。
ちなみに隣の席であると言っておこう。
「なぁ、日向も質問しないのか?」
「出来るわけ無いだろう? あのクリス・ミラーの娘だぞ。会話しようもんなら気絶しちまう」
「お前の分もしてくるよ」
そう言って晴も輪の中に入る。
俺がスカイマンだってバレるかもしんないしまともに会話なんてできない。どうして隣の席に……
流石に授業の時間になると皆自分の席に戻る。ちらっとアリシアさんの方を見るとニコッと微笑んでくれた。
「これからよろしくね」
か、カワイイ。つい目をそらしてしまう。
「よ、よろしくお願いします。アリシアさん」
「さん付けはいいよ。クラスメイトだし、えっと、貴方は……」
「あ、その……風丸日向です」
「お隣さん同士よろしくね。日向……?」
俺の顔をじっと見るアリシアさん、そう言えばあの事故の時顔を思いっきり見られてた! まずい!
「すまん遅れた。これから授業を始める」
先生がやってきたおかげで注意が俺からそれた。良かった〜〜。
「〜〜であるから〜〜である。ではどうして彼はこんな事をしたのか、理由を文章から引用して読んでもらおうかな。えっと、ダイス目は30。アリシアさん」
アリシアさんは立って答え始める
「はい。彼は〜〜〜〜」
アリシアさん、凄く日本語が上手いなぁ。元々日本が好きって公言してただけある。
「そうだね、では〜〜」
アリシアさんが座ったあとも俺は彼女を見る。いや、変態じゃないよ? でもついつい見てしまう。
「?」
アリシアさんと目があった。咄嗟に目をそらして授業を真面目に受ける振りをする。
ちょっと経って横目でチラチラとみるとアリシアさんはずっと俺の方を見ていた。
なんでこっちをずっと見ているんだ?! ま、まさかもしかして、バレた!?
「おい日向、さっきからアリシアさんを見てるのバレてるぞ〜。授業に集中しろ」
先生がそう言ってやっと、我に返る。クラス中爆笑の渦にのまれて恥ずかしくなった。
「いくらアリシアちゃんが可愛からって見すぎたら可愛そうだろ。俺が席を交換してやろうか? 地味なお前よりイケメンの俺に見られたほうが眼の保養になるってもんだろ」
「下心丸見えだぞ宮根」
「何言っているんです先生、俺の心は下にはないですよ。あるのは、中心です」
「そういう意味じゃない」
笑いの対象が宮根に変わってよかったぁ。
俺は懲りずにちらっとアリシアさんの方を見る。
や、やっぱりこっち見てる! でも時々不思議そうにしてるから俺=スカイマンとはなってない。な、なんとかして俺じゃないって信じてもらうにはどうすれば。
キーンコーンカーンコーン。
「ねえ、日向、私達どこかで会わなかった?」
ギクギクギクギクギクギクギク!
「あ、会ってないよ」
「でもどこかで見たことあるような……」
「あ、あれじゃないかな。俺、その、クリス・ミラーのファンで、撮影現場の見学に行くんですよ。たまに、だから、お互い見たことがあるだけじゃないかな〜」
「そうかな〜〜」
「そ、そうだ。アリシアさん。どうして日本に?」
とにかく話題を変えないと。
「日本に? 」
その質問をしたとき、アリシアさんは恥ずかしそうに少し頬を赤らめて答える。
「えっと、5日前に事故で私を助けてくれた人に会うために……危険を顧みず助けてくれてとても格好良くて、色々と調べたらこの地域にいるって、それでパパに頼んで転学したの」
話題変えるどころか思いっきり中心踏み抜いた! まずい! 俺の印象をスカイマンからずらさないと!
「す、スカイマン……彼は凄いよね。俺なんて、運動苦手だし」
「うん。でも、その時私怖くて泣いちゃってて、涙で顔をちゃんと見れて無かったから、でも声ははっきりと聞いたの……やっぱり日向の声スカイマンに似てるような……」
「日本人は皆こんな声ですよ、あ、ごめん、ちょっとトイレに」
誤魔化し方が分からなくてトイレに逃げることにした。
顔はバレてない。奇跡だ。声は……どうしよう。
「なあ日向」
「ピャ!!」
「そんな驚くこと無いだろ」
「晴か! びっくりしたぁ!」
「なぁ、お前、スカイマンだろ」
__________________
晴は作者的に都合のよい便利キャラなのら。
最初にお前にバレるんかい! と思ったら★★★お願いします(貪欲)
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