第6話~地獄からの使者~

 新幹線が爆破され、駅長が死んだ今俺たちはどうやって東京に帰るかを丸焦げになった新幹線の中で話し合っていた。新幹線は爆破された後に警察と消防庁によって消火された。

「お前ら、どうやって帰る?」

「どうやってもなにも、電車無いから歩きだろ。」

「一理あり。」

「ん。じゃあそれで決まり。」

 そう言って、服部座一行は新幹線から出て、怪異な目を向けられようとも気にしなかった。ここにいるやつらが思っていることは同じだ。___「復讐してやる」。

「離島調査団…俺らはお前らを絶対に許さない。」

 こうして燃やし尽くされた静岡駅を慈悲の目で見て手を合わせ、駅を後にした。

「はぁ…今日ついてねえぜ…」

「ついてねえって言うから、つかねえんだよ。バカか。」

「そ、そうだな!」

「分かったら行くぞ。」

 Google Mapを見て、ため息をついた。歩きで静岡駅から新宿駅までにかかる時間は国道264号を経由しても東海道を経由しても、「36時間」かかるからだ。1日と半日かかることになる。まったく、静岡だったからいいものの。

「おいおいおいおい。暗くなってきたじゃねえか。今夜は野宿か?」

 流石に心配になってきた。だが、せいやは

「関係ない。行くぞ。」

「……分かった。」






 それからというもの、一体全体何日歩いたか分からないくらい歩き続け、やっと新宿駅のホームについた。

「……やっと、着いたぁ……!」

「やっと家に帰れるぞ!」

「万歳!」

 などと言っていた次の瞬間、新宿駅で殺人が起こった。相手は黒装束をし、鬼のアイマスクをしている。身長は180cmあるかないか、痩せている。見るからに男だ。

「お前ら、近づいたらどうな……」

 「るか分かってるんだろうな!」と言う前に、せいやが

「邪魔だ。どけ。」

 と言い、ホームの壁に穴が開くくらいの蹴りを食らわせ、そのまま駆け付けた警察によって逮捕された。

「駅は物騒なことが起こるんだな。」

 なんて口ずさんでいると、警察から

「君……服部聖弥くんだよね?」

 と聞かれたので

「……?はい。」

 と言うと

「君達も一緒に牢獄にぶち込んであげよう。私達にとって邪魔な存在だからね。」

 正直ぶん殴ろうとすると、向こうの方から声が聞こえた。明らかに金髪でピンク色のネイルをし、胸には包帯を巻いていて、へそは出ている。つまり、かなり露出が多いのだ。いわゆる「ギャル」だ。

「あっしのこと知らないよね~www」

「「「「「「「「「「……え?」」」」」」」」」」

「まあいいや。知らなくてもいずれ知ることになるよ。じゃあよろ。」

 やっぱり陽キャにはついていけなかったせいやだった。

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