第3話~東西戦争前編~

 昼の名古屋駅は予想以上に混んでいる。今から関西地方の三重県津市にある廃校に行く途中だ。後ろには多くの服部座の仲間がいる。

「本当に大丈夫かな...?」

 そう言ったのは、隣の席に座っている副総長・平塚大輔。服部聖弥と平塚大輔は幼馴染であり、親友だ。

「大丈夫だ。俺らは本気でいけばいい。」

 関西連合。関西地方全土を統一している西側最恐軍団だ。トップに鬼頭千里。副トップに小田悪夢。そして一番最恐なのが関西地方を治めているのに中国・四国地方にあるヤンキー集団の陣地には行けていない。などと言っているうちに津駅についた。そこから小走りで集合地へ向かった。

「おせえぞ!お前らやる気あんのか!」

言ったのは、鬼頭。遅れただけで罵倒されたのはこれが初めてだ。

「ああん?せっかく来てやったのに何だその態度は!」

 なぜ怒られたのか分からない。まず関西連合とはバチバチだとは言え、決定的となったのはうちのチームのメンバーだ。


 月が光る夜に関西連合副トップ・小田は服部座の下っ端・木本綾雅を近くの公園に呼び出していた。理由は、木本が小田の彼女を好きというだけ。

「お前、かりんのこと好きだろ。やる?やる?俺喧嘩負けたことないからさ。」

「いやちょっと待て!まだ早い!落ち着け!」

 小田の彼女は、ヤンキーでも暴力団でもない。ただの一般人だ。名前は松田華凛。ショートヘアというよりかはボブというべき髪型。容姿端麗で頭もいい。そんな彼女に惚れた木本を呼び出してタイマンを張るという。だが、数時間後に案の定ボコボコにされた。それを聞いた服部座がキレて関西連合に宣戦布告して今に至る。

「結局やるのか?やらないか?」

「やるに決まってんだろ。ぶっ殺してやる!」

「そうか。好きにしろ。お前ら、ヘマだけはすんなよ?」

「お前ら、絶対に倒すぞ。いいな?」

「「「「「「「「「「おっす!」」」」」」」」」」

「それじゃ、戦争の始まりだ。」

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