第2話~分かってるよ、それくらい~

 急に視界が遮断された。まるで頭をガツンと殴られたかのようだ。かすかに見開いた目には服部座の座長・服部聖弥が映っていた。俺は関西連合のトップ・鬼頭千里だぞ?何で俺が負けたんだ?なぜだ?なぜだ?そればかりが浮かんでき、脳が衰退していく。

「なぜ俺はこんな奴等に!」

 思えばそう言っていた。

「教えてやろうか?お前がみじめだからだ。それ以外の何物でもない。さっさと降参しろ。」

 そう言ったのは服部だ。なぜ俺は、こんなガキにっ!思っていたら完全に視界が遮断された。そうして関西連合は駆逐された。



という夢を見た服部は喜びを覚えた。

「おうおうおうおう。すげえ夢見たな、俺。これ、正夢になればいいな。」

 そうつぶやきながらニヤけていると姉が1階から2階に上がってくる音が聞こえた。服部は急いで二度寝をしようとしたが叶わなかった。

「あんた!いつまで寝てんの!起きなさい!」

 ぐっ!何でいつもそうだよ!

「わあったわあった。起きるよ。」

「最初からそうしなさい!」

 朝から耳が壊れる。今日は...はっ!いけねえ!今日は関西連合との戦いだった!それを知ってるか分からないが姉は察して、おにぎりをくれ、

「頑張ってきなさいよ。」とだけ言い、聖弥を家から出した。

「ちょっと乱暴だけど優しいじゃねえか。」

 つぶやきながら駅へ向かった。_________________今日の決戦のために。

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