おまけ その後

「魔導リングオン」


 宿屋の部屋に着いたリリアは魔導リングを起動する。

 アプリの中から旅動を探し触れる。

 旅動が開かれると検索欄に“リア”と打ち込んだ。

 一本の動画が表示される。

 

「あった!」


 リリアはそれに触れ再生する。

 村の祭りに参加する映像が流れ出した。

 間違いなく自分が撮影し、今日投稿したばかりの動画である。

 今まで見ていただけのアプリで自分が作ったものが表示される。何とも言えない高揚感と恥ずかしさ等色々な感情が混ざって、顔が変な感じになってしまう。

 一本目。

 あんなに遠かった一歩を今日遂に踏み出すことができた。

 それだけでとても嬉しくなってしまう。

 一通り見終えるとリリアは魔導リングを停止する。

 明かりを消し布団を頭までかぶる。


「ふふふふふっ」


 変な笑い声が漏れてしまう。

 今は周りに人がいなくて本当に良かった。

 こんな姿を見られでもしたら、確実に変人扱いされてしまう。

 また、次の動画を撮るのが楽しみだ。

 そう思いながら、リリアはまだ布団の中で体の底からあふれる感情を抑えきれずにいた。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る