(二)-3

 鳥形の話で鯵ヶ沢が気になったのはサークル内での人間関係だった。六人は社交的で多くの者と仲が良いように見えたが、やや高圧的な感じで若干浮いていた面もあった。さらに下沼に対しては下に見る感じで、馬鹿にする態度を見せることもあったらしい。いちどそれを鳥形がたしなめることもあったらしいが、それ以来は特に話したりすることはなかったようだった。

 鯵ヶ沢はこの話を聞くと、大学構内から急ぎ捜査本部に電話した。状況の報告もそうだが、それ以上に下沼知の自宅への家宅捜索令状取得を上申する必要があると思った。


(続く)

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