第5話
ボーナスタイムが完全終了してから2週間ほど経ちました。あの後、お姫様の遺体は街道沿いにある野営地みたいな場所にある焚き火跡の近くに身体を体育座りさせ、首を高い木の枝と枝の挟まる形で自身の体育座りしている身体を眺めるように設置しておきました。お目目開いたまま死んでいたのでちょうど良かったです。
一応、お国の紋章みたいなのが付いてる貴重品だけはお姫様から貰わずにそのままにしたので
殺したのは私ですが、遺体はなるべく綺麗にしておいたのでその後どうなってようと私には関係ありません。
そもそも、やんごとなき王族なのにフットワークが軽すぎるのが問題だと思うんですよね。いつもの襲撃現場(マイハウス前)に他の方と一緒にお揃いの黒装束姿をした人が王族なんてわかるわけないじゃないですか。せめて、派手目な乗馬服で来て欲しかったですね。そうすれば手足で勘弁して差し上げたのに。まったく。
で、今何をしているかと言いますと…トカゲ退治してます。話は約1時間くらい前に遡りません。めんどくさいので簡単に言うと
日向ぼっこしながら昔好きだった召喚剣士というゲームの主題歌メドレーを歌っていたんですよ。湖畔付近の雰囲気が歌うのに合ってそうだったので。私、全作通して2、3、4が好きでした。1は好きなキャラが死んじゃったので除外です。5以降は出ていたのを動画で知って主題歌だけ覚えた形なので5から完結作7は未プレイです。
話を戻しまして、ちょうど5の主題歌から6の主題歌に差し掛かるタイミングで森から一頭の巨大トカゲが現れましてね。私が気持ち良く歌っていたのに水を差されましたので『漣』と4歳の誕生日に下賜された『大潮』という出刃包丁を右手に『大潮』、左手に『漣』を持って今日の選曲は某有名狩猟ゲームの狩猟歌オペラバージョンです。やっぱ、大物狩りはあのゲームの狩猟歌がベストマッチですね。ですが、鱗が硬くて刃の通りがイマイチですね。今のところ、爪と片眼を潰した段階で尻尾はあともう少しですね。
あの後、別の狩猟ゲームである神喰というゲームの決戦BGMの鼻歌バージョンに切り替えたところ、全ての部位破壊は出来ませんでしたが倒すことには成功しました。それでは解体して行きますね。宝玉出ませんかね?ふむ、肉質は鳥っぽい感じですね。今日は照り焼きチキン南蛮にしましょうかね。チキンではなくトカゲですが。
食後に先ほどトライアンドエラーつまり食したことによりトカゲに関することが図鑑に記されたようです。…レッサーアースドラゴン?え、あのトカゲって
レッサーアースドラゴンとの戦闘から5日経ちました。あの日から時間帯はバラバラですが劣等竜種の襲撃が続いてます。
2日目にレッサーワイバーン1頭。
3日目にレッサーワイバーン2頭。
4日目にレッサーアースドラゴン2頭とレッサーワイバーン1頭。
今日は朝にレッサーワイバーン3頭とレッサーアースドラゴン1頭。
夕方過ぎにレッサーワイバーン2頭とレッサーアースドラゴン4頭の襲撃がありました。
初日も合わせると合計レッサーアースドラゴン9頭とレッサーワイバーン9頭ですね。ちなみに、3日目からサシの戦闘ではなくなったことで近接戦闘がめんどくさくなったので後の戦闘は子守唄を歌いながら海魔法で溺死させました。大物の複数同時狩りはゲームの中だけで十分です。
それにしても、劣等竜種と言えども多すぎませんかね?このまま、行くと劣等が取れた竜種が出て来そうですね。食肉としてはそこそこ良い肉なので育ち盛りの私としては大歓迎です。ですが、解体が少しめんどくさいんですよね。早くスキルで自動解体を取得したいですね。
【物置スキルに収納してから欲しい部位を取り出せば解体されて出て来ない?】
あ、本当だ!ナイアラル様、ありがとうございます!
これで、解体の問題は解決しましたので明日から大所帯で襲撃されても大丈夫ですね!
昨日の私の馬鹿ァ!さっそく、フラグ回収されましたよ!
竜種襲撃6日目の今日は朝からひっきりなしにいつもとは鱗の艶が違うワイバーンとアースドラゴンの団体さんと一緒に御新規様の恐竜のTレックスみたいなトカゲと私と同じ大きさのトカゲがうじゃうじゃ。日がてっぺんに昇ってもおかわりが終わらない。もう数時間歌いっぱなしで疲れて来ました。お肉を諦めて聖歌の供物にしようかと何度か思いましたが流石にあちらの神様に失礼かと思って断念しました。量よりも質をこだわる方々だったら私がお持ち帰りされてしまいますからね。
…めんどくさくなって来ましたね。竜種達のせいで湖畔の景観がかなり荒らされましたのでここで私が大規模魔法を使用しても今更環境破壊を気にする必要もないですよね?
「…"タイダルウェーブ"、"アイスエイジ"」
私を中心に海魔法の大規模戦略魔法であるタイダルウェーブ、つまり津波ですね。全方位から私包囲していた竜種達を津波で押し流し、氷魔法の大規模戦略魔法であるアイスエイジで津波を凍りつかして竜種達を拘束します。瞬間冷却するには季節が合わなすぎるため足止め程度しか効果がありません。それでも私がこれからすることを邪魔されないならその程度の効果でも十分です。さぁ、終幕の時です。
「選曲"全てを奪う者"、暗黒魔法"禁忌指定・アビスホールダウン"」
歌うのは、全てを奪われた者が、復讐のために全てを奪う者になっていき失ったものが手に入らない憤りを奪った者の大切なモノ達に残忍な方法で帳尻を合わせるというミュージカルの曲。実はこれは未完成で世に出ることのなかった曲。ですが、今回は未完成でも良いのです。
対して、発動させた暗黒魔法の禁忌指定魔法"アビスホールダウン"。これは敵対者全てを奈落の穴へ生きたまま強制的に落とす魔法。何故、禁忌指定魔法なのか?生きたまま奈落の穴へ落とされたものは死ぬ事が出来なくなる。奈落とは悪人の魂が落ちる場所、そこに矛盾した"生きたまま"の状態により奈落が機能不全を起こし対象を永遠に苦しめ死ぬ事が出来ない状態に固定化される。故に、禁忌指定魔法にされている。
処刑法として最も残忍であるが使用事態は出来る。ただ、条件が厳しい。「2柱の神の血筋の者、高位貴種魔族の血筋の者、3柱の神からの寵愛以上の加護を授かってる者。これらの者達が同意した場合のみ発動することが出来る。」普通では絶対に無理な条件ですが私は全ての条件をクリアしておりますのでセーフです。なんら違法性はありません。咎める人がいるとしたら、私の方に優位性がありますので問答無用で切り捨てても問題ありません。だって、完全に難癖ですから。
トカゲ連合は漆黒の闇の中へ黒い人型の何かに引きずり込まれ、残されたのは見るも無惨な湖畔だった沼地が広がっていた。
「…もう、引越ししないといけませんね。気に入ってたんですけど、このような状態では仕方ないですね。」
私は疲れた身体を休ませるためにマイハウスへ帰宅して風呂に入り、軽めに食事をして早い時間でしたが疲労から来る睡魔に抗わずに眠りについた。
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