第63話 メテオインパクト
威力は弱いけど連発可能な光属性の魔法。
まさかこれがここまでの威力に変わるなんて……
目の前に広がる光景に驚きを隠せない。
これを本当に私がやっているの?
自分の中から信じがたい程の力が溢れて来る。
これが自業自得。
信じられない程の上昇率だ。
これなら———
シャイニング・アローを何重にもして放つイメージを頭の中に思い描く。
大丈夫。
今の私ならきっと——出来る。
矢を空に向け解き放つ。
光は空中で分散し、雨の様に降り注いだ。
「
空中から降り注いぐ光の矢はモンスターを次々と倒していく。
その矢は美玖の宣言通り、止む事なく降り続いた。
※
「す……凄い。まさかこんなに力が上がるなんて……」
力が上昇する事は予想していたけど、まさかここまでとは思わなかった。
美玖さん……悪い人には見えなかったけど——
「どんだけいい人なんだよ。」
僕もいつか、あれくらいパワーアップ出来る様にならないとなぁ。
今からでも……間に合うかなぁ。
いや、間に合わせる!
終わった事はどうしようもない。
これからの行動を変えるしかないんだ!
まずは今此処でみんなを助ける!
それが僕に出来る償いだから——
「美玖さん!中央以外の敵に集中する事は出来ますか!?中央の敵は僕とシェリアでなんとかします!僕たちの事なんか信じられないかも知れないけど……今この場だけは信じて——「信じてますよ。」
え?
今、なんて……
「信じてますよ。2人の事。確かに許してはいないけど、でも今の2人が悪い人じゃない事はなんとなくわかります。この敵は私一人じゃ倒せません。だから——後はシェリアさんにお任せしますね。」
そう言いながら微笑む彼女を見て……僕は不思議と涙が出てきた。
ああ……敵わないなぁ。
そりゃ自業自得もあれだけの力を出すわけだよ。
僕はあそこを目指さないといけないのか…
長い道のりになりそうだ。
美玖さんはあんな事を仕出かした僕たちを許してくれた。
だったら——僕たちもそれに答えないと!
「シェリア!!中央の敵をやっつけろ!残りは美玖さんがやってくれる。後の心配は要らない。思いっきり……やれーーー!!!」
「待ってました……当然、思いっきりやらせて貰うっての!!!!」
シェリアが一撃必殺の構えを取り、力を溜め込む。
だがこの力にはリスクがあった。
そう、動けないという重大なリスクが。
だが———
「進にも隠したけど、裏ワザがあるんだよね。ちょっと無茶するけど、私も良いとこ見せなきゃだし……やっちゃうよ!!!」
シェリアがスキルを同時並行で使用する。
一撃必殺に猪突猛進を加えて。
シェリアのスキル猪突猛進は、シェリアが狙ったターゲット目掛けて一直線に突き進むというスキル。
以前、進との戦闘時はワープ攻略の為にこのスキルを使用した。
このスキルのいいところはターゲットを定めると自動で体が動いてくれるという事。
つまり、シェリアの意思で動く事が出来なくなる一撃必殺を使っていようと、猪突猛進を使えば移動は可能となる。
「行くよ。必殺——“
一撃必殺の破壊力に猪突猛進の速度が加算された一撃。
その技は文字通り、隕石が落ちたかの様な衝撃を巻き起こした。
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