第10話 看破
『経験値が集まった為レベルアップします。』
『スキル【三進二退】発動。レベルが下がります。』
『経験値が集まった為レベルアップします。』
『ランクアップボーナスとして【
頭の中に沢山の音が鳴り響く。
あのオークを倒したお陰で相当経験値を貰えたみたいだ。
最終的に落ち着いた俺のレベルはランク2のレベル1。
これで俺もようやくランク2の冒険者になれたのか。
それにしてもこの『三進二退』というスキル。ずっとレベルが下がるだけのハズレスキルだと思っていたけどそうではなかった。
レベルが下がる事によりランクアップボーナスが3回貰えるという特典があるとは……こんな事思いもしなかったな。
痛む体に鞭を打ち、何とかその場から起き上がる。
まだ何も終わってない。
どうにかして此処から抜け出さないと…
そもそも此処はどこなんだ?
さっきの男のスキルで来たのはわかるんだがどうやって出たらいいのかさっぱりわからない。
不用意に動くべきではないのかもしれない。
だけど誰かが助けに来てくれるとも思えないし……う〜ん、どうしたもんか…
救助を待つべきか、それとも自分で脱出すべきか……
だがあんまり悠長にし過ぎても美玖ちゃんの身に危険が迫るかもしれない。
だとしたら早急に脱出したいけど……
この場所が何処かわからないのでどうしようもない。
そんな事を思っているとふと先程得た新しいスキルの存在を思い出した。
『換骨奪胎』
一度見たスキルに改良を加え自身のスキルにする能力。元のスキルと全く同じ性能にする事は出来ない。
使用可能回数は3回。
これを使ってさっきのワープみたいなの真似したら此処から出られないか?
スキルも貰う前だけど、ちゃんとこの目で見た訳だし…
モノは試し。
俺は換骨奪胎を発動してみる。
『発動条件を満たしております。対象スキル【神出鬼没】でお間違いないでしょうか?』
あのスキル『神出鬼没』っていうのか。
名前的にもあのワープ能力で間違いなさそうだし、このまま続けてみるか。
『【換骨奪胎】発動します。改良を加えて下さい。』
さて、ここからどうするか。
改良も何も、元のスキルが何処まで出来るかわからないしなぁ。
取り敢えず適当に好きな場所にいつでも移動出来るみたいな感じでやってみよう。
『その改良は不可能です。元のスキルとの性能に差が出過ぎています。別の改良を施して下さい。』
なるほどね。
まあさっきのが通るなら自分にとって便利なスキル作りたい放題だしな。
そうなると俺はあの男のスキルを看破した上でそれを改良させて元いた場所に戻る必要が出て来る。
うわぁ、時間かかりそうだな。
まあでもどうせ他にやる事もないし。
その間に助けが来たらそれはラッキーだ。
俺はスキル作りに取り掛かった。
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