第68話 軍港

サンシュミー魔導帝国。

大陸北東部、アスロ山脈の北に位置する国であり、帝政。

魔法技術に長けていて、魔法を使う魔導士の育成にも熱心。

高い兵力と技術で力を持っている。経済的にも発展しており、

帝都であるシュミールは大陸内でも有数の大都市である。

そのため政治力も高い。


ーーサンシュミー魔導帝国


「カムズ半島の港の整備計画はどうなっている?」


「順調です。

 大体の整備は終了し、あとは実際に船を入港させてチェックします。」


「そうか。あそこは軍事拠点としても強いからな。」


サンシュミー魔導帝国北部のダンビャ辺境伯領の一部であるカムズ半島は

大陸からサンシュミー湾の東に突き出ている形だ。

そして、半島の中央には比較的標高の低い山が連なっている。

港はカムズ半島の北端であるカムズ岬から南西の位置にあり、

広めの入り江になっている。そのため敵が攻めてきた場合でも集中攻撃を

浴びせられるようになっている。そのため、軍港にはもってこいの場所である。



ーー4日後


「ついにカムズ軍港が完成したようです。」


「そうか。」


「ダンビャ辺境伯閣下がお見えです。」


「通せ。」


帝宮には高官らが集まっていた。


「エミュー・ダンビャ辺境伯。

 報酬として金貨1枚と上銀貨3枚(130U)を贈呈する。

 それとは別で工事費用の金貨1枚も渡す。

 これは作業に従事した者への報酬として使え。今後も励むように。」


「はっ!」


羨望の目が向けられながらダンビャ辺境伯はその場から立ち去った。



ーーレフィル聖王国


「サンシュミー魔導帝国が軍港を作ったそうです。」


「そうか。」


「我が国はあの国の隣国だ。

 今は良いとも悪いとも言えない関係だが、万が一攻め込まれた場合の

 負ける確率が高いから警戒だな。」


「はい。」


「今は間違っても手を出すなよ。」


「分かっています。

 今はどの国にも手を出さないのが良いかと。」


「ああ・・・」


「いかがなさいました?」


「アスロ王国がどうでてくるかな・・・」


「彼の国は好戦的ですからね・・・」


「左様。この際どうなるか分からん。

 兵はいつでも動かせるようにしてくれ。」


「かしこまりました。」



ーーアスロ王国


「陛下、サンシュミー魔導帝国が軍港をつくったそうです。」


「軍港?我が国は海に面しておらんぞ??」


「ですが、それは軍事力が上がったということです。

 そして、予算が減ったということにもなります。」


「ほう・・・ 今が攻め時ということか?」


「はい。ただ、本格的には攻めず軽く国境周辺に

 ちょっかいをかけるぐらいが良いかと思われます。」


「何故だ?

 逆に攻めることがバレて警戒されるぞ。」


「いえ。少しづつ圧迫して徐々に追い込んでいくのです。

 南側を占領し、東から西へ侵攻していけば向こうは焦ります。」


「そうか。戦の支度だ!」


「はっ」


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最近投稿頻度が落ちていてすみません。

以降も不定期での更新となりますがよろしくお願いします。

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