第67話 ヴィンザー教

ーーサンシュミー魔導帝国 ウェジュ公爵邸


「閣下!大変です!!」


「どうした。」


が動き始めたようです。」


「まさか、例の噂か?!」


「はい。」


ここ、サンシュミー魔導帝国はこの物語が展開されている大陸の

南にある大陸である。彼らの言う『奴ら』とは、この大陸にある宗教のうちの

一つであるヴィンザー教である。


ヴィンザー教とは、この国やその周辺で勢力の強い宗教である。

ヴィンザーという神を崇める一神教でこの国でも信者が


過去形なのは半年程前、寄付や教会の修理費用などと偽って信者から

金を巻き上げ、上層部の人間の懐に入っていたというのが理由だ。

そのうえ、下の方の関係者はそのことを知らなかったという。


そのため、上層部に失望した下の方の関係者や多くの信者が集まり、

ヴィンザー正教会という宗教をつくりヴィンザー教に取って代わった。


不正が明るみに出たヴィンザー教の上層部はこの国から逃げ、

一国を挟んだ先にありヴィンザー教の聖地である『ヴィンザー神聖国』で

何か企んでいたようだが、まさか最近冒険者ギルドでも

噂になっている『北の大陸』について調査していたとは思わなかった。


「それで、どうだったのだ。」


「はい。高確率であるでしょう。」


「本当か!?ならばヴィンザー教の連中に先を越される前に先手を打たねば!」


「しかし、『北の大陸』に人がいるか分かりませんし、

 もしいたとしても必ずしも友好的だとは限りませんよ。」


「そうだな・・・」


「今は情報を集めつつ様子見としましょう。」


「そうするか。」



ーーヴィンザー神聖国


「あの連中に勘づかれたかも知れません。」


「サンシュミー魔導帝国にか?」


「はい。」


「あの忌々しい連中め・・・」


ここ、ヴィンザー神聖国はヴィンザー教の本拠地であり定住している人間の

殆どがヴィンザー教の関係者だ。


正月や10月にある『感謝祭』の時は参拝客が多く訪れるが、

それ以外の時は参拝客はあまりいない。

ただ、今は不正が明るみになったことにより、信者たちが

ヴィンザー正教会に移り始めた。


そのため、参拝客がいない。


「で、そいつは誰だ?」


そこには、武装した男がいた。


「彼は元B級冒険者であるウィジャ・ラインです。

 彼を調査に派遣しようと思いまして。」


「何故『元』なんだ?」


「それが、形式に囚われたくないと冒険者ギルドを

 脱退したそうです。」


「そうか。腕は確かなんだよな?」


「はい。」


「分かった。お前に任せる。」


「ありがとうございます!」



ーー2週間後


「どうした。失敗の報告か?」


「・・・島なら見つかったが?」


「そうか。報酬の上銀貨6枚(60U=60,0000V)だ。

 次も頑張ってくれよ。」


「はっ」


ウィジャが見つけた島からは陸地が少しだけ見えていた。


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前回の更新からかなり時間が経ってしまい申し訳ございません。

色々と忙しくて書く時間があまり取れませんでした。

更新頻度を上げられるように頑張ります!

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