第七章 新たな大陸と宗教

第66話 奴隷と新たな大陸

ーー翌朝、村近くの森にて


「朝だぞ。起きろ。」


「ああ。分かった。」


ルーズたちは起床し、会議を始めた。


「まず、捕えた連中はどうする。」


「奴隷にして売り払うか。」


「しかし、奴隷が御法度の国が殆どだぞ。」


「裏ルートを使うしかない。」


「上にバレたらまずいぞ。」


「その際は賄賂を渡せばどうにかなる。」


「この国終わってんだろ」


「「「それな」」」



ーー1週間後


「無事に全員売れたな。」


「ああ。はやめに買い手がついて良かったよ。」


「幸い上にもバレてないからな。」


「まあな。バレても何の問題もないからな。」


「だな。」



ーーその頃


「早くしろ!ノロマが!!買ってやっただけありがたく思え!」


「すみません!」


奴隷達には酷い仕打ちが待っていた。



ーーグレイング・オブ・ロアー王国


「サリサ共和国の件はどうなっている。」


「1度戦がありましたが、すぐに膠着状態になったようです。」


「そうか。」


「で、例の件はどうなった。」


「まだ手掛かりは掴めておりません。」


「そうか。引き続き頼むぞ。」


「はっ」


例の件とはこの物語が展開されている大陸以外にも大陸があり、

まったく別の文明があるという噂だ。


最初は戯言だと放置しておいたがあまりにも信憑性の高い噂が多いため、

手の空いた者に調査を頼んでおいたもののなかなか情報が集まらない。


しかし・・・



ーー翌日


「陛下!大変です!!」


「どうした。そんな慌てて。」


「例の件について情報が手に入りました!」


「おお!で、そのような情報だ?」


「それが、実際に存在するとのことです。」


「何だと!」


「ただ、危険もありそうです。」


「どういうことだ?」


「その大陸に住む者達の一部は魔法とかいう術を使うそうで。」


「魔法とは何だ?」


「色々な属性があり、ものによっては火をつけたり水を出したりと

 摩訶不思議な術がたくさんあるそうです。

 また、魔物という獣の比にならないような生き物もいるとか。

 さらに、亜人という人間とは少し違う人もいうそうです。」


「亜人?」


「耳が長く、人間よりも長く生きるエルフ、

 金属加工などの技術に長けており、背が低いドワーフなど。

 色々な種族があるようです。」


「そうか。他の大陸についての情報はあるか?


「ありません。」


「分かった。また新しい情報があったら教えてくれ。」


「はっ」


まだまだ謎がありそうだな。



ーー???


「何故だか嫌な予感がするな。」


質の良い服に身を包んだ男は、読んでいた本を閉じ、

街を見ながらそう呟いた。それを聞いていた者はいなかった。

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