第64話 不穏な空気(1)

ーー1週間後、東サリサ共和国


「そこをどうか、よろしくお願いします!」


ルーズは兵になるため彼此30分、兵舎の前で懇願している。


「そうは言っても俺1人の一存で決められることじゃないし・・・」


兵舎の警備をしている兵は困っている。


「はぁ・・・ なら、俺が呼んでくるよ。」


もう1人の警備兵が仕方なく責任者を呼ぶと決めた。


「頼む。」



ーー10分後


「わしが責任者のイーズだ。これから試験を行う。

 その結果でお主の入隊を許可するかどうかを決める。」


「分かりました。」


「試験の内容は、体力のテスト・学力のテスト・剣を使った試合・面接の4つだ。

 その結果を総合して、入隊を認めるかどうかを決めさせてもらう。」


「はい。」


「早速だが、まずは体力のテストだ。身長と体重を計り、握力や持久力などの

 基本的なことを確認するだけだ。まあ、これで落ちる奴はいないがな。」


「そうですか。」


「じゃあ、始めるぞ。ついてこい。」



ルーズが案内されたのは中庭にある訓練場の横だった。

柔らかい芝生があり、端には的や置楯が置かれていた。


「ここで身長と体重、握力を計る。他は中庭の訓練場でやる。」


「分かりました。」


その後、ルーズは問題なく試験をクリアし東サリサ共和国軍の歩兵となった。

彼が歴史に名を残すことになるとは誰も思わなかった。



ーーガイウス大公国


「申し上げます!サリサ共和国が分裂したそうです。」


「そうか。」


「西側が革新派、東側が保守派のようです。」


「こちらとしては西側の方が都合が良い。すぐに友好関係を結ぶぞ。

 そういえばハムン・エーザ公爵はどっちについた?」


「西側です。というより、エーザ公爵は未だに精神が安定しておらず、

 その場の流れで家臣が判断したそうです。」


「なら前結んだ貿易の再開という目的で使者を派遣しろ。」


エーザ公爵が対応できなくなったため、ガイウス大公国とサリサ共和国の

間では一時的に貿易を中止していた。


「はっ」



ーー翌日、西サリサ共和国


「申し上げます。ガイウス大公国から貿易再開の打診が・・・」


「そうか、許可せよ。前と同じ条件でな。」


「畏まりました。」



ーーブルーイン帝国


「サリサ共和国が分裂した?」


「はい。革新派中心の西サリサ共和国と保守派中心の東サリサ共和国です。」


「どっちにも関わらなくて良いだろう。触らぬ神に祟りなしだ。」


「はっ」



ーー東サリサ共和国


「ガイウス大公国が西サリサ共和国との貿易を再開したようです。

 その他周辺各国は様子見を決め込んでいるようです」


「そうか。戦の準備をしろ。西サリサ共和国を潰す。」


「・・・ はっ」


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ネタ切れが続きまた2週間空いてしまいました・・・

できれば明日にもう1話投稿したいけれどどうなるか分かりません。


あと、短編を書こうと思っています。設定と第1話は作り終えています。

恋愛系に挑戦しようと思っています。カクヨムコンの短編賞用です。

詳しくは近況ノートにて。


お楽しみに!

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