第56話 陰謀と謀反人(3)

ーーブルーイン帝国


「まったく、この国には何回謀反人が出現するんだ。」


「はあ・・・」


「私の代になってからもう2回目だ。何が悪いんだ。」


「とにかく、反乱を鎮圧しましょう。」


「ああ・・・ そうだな。」



ーー30分後


「敵は占領した町で炊き出しなどを行って住民の支持を得ているそうです。」


「そうか。」


軍議が開かれていた。


「現在は占領した町にいるようです。」


「なら、形勢を立て直している今がチャンスだ!戦の準備をせよ!!」


「「「はっ」」」



ーー翌日


「かかれー!」


「おー!」


「死角に回り込め!」


一斉に弓が放たれる。


「させるか!」


石や斧を持った住民がブルーイン帝国軍に襲いかかる。


「今だ!突っ込め!!」


ナイフを持った若い住民が叫ぶ。


「っ!」


庶民が上から目線な言い方をしたことに少しイラついたものの

反乱軍の指揮官はすぐに指示を出した。


「進め!突き崩すぞ!!」


「おー!」


「弓で迎え撃てー!」


「おー!」


突撃する反乱軍と弓や盾で迎え撃つブルーイン帝国軍だと圧倒的に

ブルーイン帝国軍の方が有利である。

そして、矢を避けて運良く近付いたとしても槍が突き出される。


「退けー!」


反乱軍が撤退を始めた。


「深追いはするな!」


「俺らも逃げるぞ!」


戦いに参加していた住民も逃げ出した。



ーーエルヤ帝国


「ブルーイン帝国での反乱は反乱軍が少し有利ですが、

 帝国軍が押し返している状況です。」


「ここは静観だな。」


「ですね。」


「まあ、どっちが勝っても我々には関係ないですし。」


「ああ。無駄に兵糧を失うわけにもいかない。

 それに領土も増やさなければ」


ーーブルーイン帝国帝都


「陛下、反乱軍に占領されていた町の半分を取り返しました。」


「そうか。ご苦労であった。」


「ただ、敵が西側を開拓しているという噂がありまして・・・」


「最近 敵の兵数が少ないと報告を受けるがそれでか。」


「恐らくは開拓に多く人手を割いているのではと・・・」


「分かった。軍務卿にその事を伝えておいてくれ。」


「はっ」



ーー帝国西部の平原


「急げ!」


土地の開拓が進んでいた。

この近くには火山があるが今では火山活動をしていない。

しかし、一部の土が灰を含んでいるため、一部地域は農業に適さず

周辺に町はない。形の上ではブルーイン帝国の直轄地だが、

実際には賊の拠点となったり、村の一つも無いため

定期的(大体1〜2ヶ月に一度)に賊が住み着いていないか騎士団が

見回りに来るが、ほぼ統治されていないような状況である。


そこで、反乱軍は誰も住んでいない土地の開拓を思いついた。

そして今、町づくりをしているのである。

より灰が多い部分に町をつくり、灰の少ないところに農地をつくっている。

ただ、時間も人手もないため、領主公邸や政府関係の建物など

最低限に抑えている。その後、個人宅や商店などが建てられる。


また、占領していた住民などが移住を希望しているため、

発展する可能性は高い。

そして、新しい国をつくりこの町を第2の都市とし、王都が完成するまでの間

一時的に仮の王都とすることが決定された。


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2週間近く更新が止まっていてすみません・・・

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