第六章 異世界からの転移者と陰謀

第51話 ブルーイン帝国とエルヤ帝国の小競り合い

ーーエルヤ帝国


「申し上げます!ブルーイン帝国軍が北上しはじめました!!」


「そうか。すぐに臨戦体勢を調えろ。」


「はっ」



ーー夕方


「初めて来たが噂通りだな。」


ブルーイン帝国軍はエルヤ帝国の一番外側である第5城壁から6km程の

場所にある平原を通っていた。

この平原はthe plain of death死の平原古戦場と呼ばれている160年前の戦争で激戦が

繰り広げられた。この戦いでのエルヤ帝国と敵国の死者は合わせて万を超える。

以降、何故か木は一本も育たず、雑草も中々生えなかった。

それまで生えていた植物は殆どが枯れた。その後のエルヤ帝国の調査によると、

土の栄養がほぼ無い状態になっていたという。土も固く、空気も乾燥している。


「そうですな。本当に死の平原だ。」


「流石にここで野営をするのは無理だ。この平原を出たところで野営だ。」


「はっ」



ーー翌日


「エルヤ帝国は我々の持っていない技術を持っていると聞く。

 十分に注意して攻めるぞ!」


「「「はっ」」」


「かかれー!」


「「「おー!」」」


ついに戦いが始まった。



ーーエルヤ帝国軍本陣


「申し上げます!ついにブルーイン帝国軍が攻撃を開始しました!!」


「そうか。我らの力、存分に見せつけよ!」


「はっ。大砲の発射用意!」


当時、大砲は発明されていなかった物である。



ーー第5城壁の外側


「進めー!」


ドォォン!


「何だこりゃ!」


大砲が発射された。


「くそ・・・ こんなの近づけない・・・ ならば、一気に突撃!白兵戦に

 持ち込め!騎馬隊は援護!」


「はっ」


「全軍突撃!分散しつつ一気に攻めかかれ!!砲撃隊を優先的に潰せ!」


「「「おー!」」」


「突破したぞ!」


「「「おぉ!」」」


「進め!このまま攻め入るぞ!!」



ーーエルヤ帝国軍本陣


「申し上げます!第5城壁、突破されました!!」


「そうか。まあ想定内だ。第4城壁まで後退!城門で土嚢を利用し、

 鉄砲で迎え撃て!歩兵も援護に回せ!!」


「はっ」



ーー第4城壁南側城門


「撃てー!」


火縄銃が一斉に発射される。


「近付いても撃たれる!一旦退がれ!!」



そして、30分程 睨み合いが続いた。


「一斉に進んで狙わせるな!進め!!」


指揮官がついに解決策を思いつき、指示を出す。


「そのまま勢いで押し切れ!」


「くそ!退け!!」


エルヤ帝国軍は更に後退。ブルーイン帝国軍は一時休憩となった。

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