第42話 2つの同盟の駆け引き(8)

ーー10分後


「これからは私の指示に従うように。男爵家は私が継ごうと思っている。

 その為に、この後陛下にお伺いを立てる。」


「「「はっ」」」


「今まで通り頼む。」


「「「ははっ!」」」



ーーさらに10分後


「陛下、男爵殿を斃しました。」


「そうか。」


「私に男爵家を継がせて下さい。」


「よかろう。あの問題児も消えたなら良しとしよう。」


「ありがとうございます。」


「うむ。ただし、調子に乗ってあの阿呆の成らぬ様に気を付けろ。」


「はっ」


「下がって良い。」


「失礼します。」



ーーその頃、グレイング・オブ・ロアー王国の陣


「密偵の報告によると、軍勢の内の一隊を率いていた男爵が

 部下の準男爵に殺されたそうです。」


「そうか。それで混乱が起きるとありがたいのだが・・・」


「その者は切れ者だそうで。賢く、武勇の誉れも高いとか。」


「面倒な奴が出てきたか・・・」


「ただ、殺された男爵の取り巻きどもと争っているそうです。」


「すぐに攻めるぞ。正面から攻め込んでやる。ゴンディー・オブ・パリサ帝国に

 伝えよ。」


「はっ」



ーー15分後


「かかれー!」


「「「おー!」」」


連合軍は奇襲では無く正面から攻め入った。



ーーその頃


「陛下、ご判断を!」


「「「陛下!」」」


「うるさい!迎え撃て!!」


「駄目です!間に合いません!!」


「クソが・・・ 正面に突っ込んで強行突破だ!突き進む!!

 敵のことは極力無視して突破を図れ!」


「「「はっ」」」


「騎兵から順番に突っ込んでいけ!歩兵は槍持ちが先頭に出て

 進め!次に弓兵、最後にその他の兵士だ!!」


「「「はっ」」」


「作戦を開始。全員急げ!」



「邪魔だ!」

「うおおぉ!」

「槍の餌食にしてやる!」


オウニラ王国軍が撤退を始めた。



しかし、山の反対側では・・・


「陛下、足元に気を付けて下さい。」


「うむ。」


王や側近など約30名が密かに逃げていた。

彼らは兵士達で敵の注意を惹き、その隙に逃げようとしていたのであった。


「敵にも味方にも見つからないようにしなければな・・・」


「麓に部下がいます。馬を用意してあるのでそれで逃げましょう。」


「助かる。」


「もう少しで麓ですな。」



そして・・・


「陛下!こちらです!!」


そこには馬が20頭、馬車が2台用意されていた。


「ご苦労であった。」


「ありがたきお言葉。」


「急げ!」


「全員準備できました!」


「出発します。はっ!」


そして、2日後の昼に一行は王都に辿り着いたのであった。



ーー王達一行が脱出に成功した頃


「麓はまだか⁉︎」


「もう少しです!」


先程の準男爵改め男爵が指揮を執っているようだ。


「そういば陛下は何処だ?」


「そういえば見ませんな。」


「無事だと良いのだが・・・」


「申し上げます!大変です!!」


男爵の部下が駆け寄ってきた。


「こんな時に何用だ!」


「陛下を含む30名程の方々が山の反対側から脱出しました!」


「はぁ⁈」


「恐らく、我々は時間稼ぎをさせられていたのでは。」


「くそ!そうだとしたら、こんなことやっている場合じゃない!!

 すぐに国に帰るぞ!そしたら王都を包囲してあの愚かな王を

 追放してやる!!」


「麓です!」


「全員、全速力で駆け抜けろ!すぐに国に戻るぞ!!」


「「「はっ」」」


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読者の皆様へ<40話を超え、1000PVを超えて> 〜近況報告〜

先日、近況ノートでもお伝えした通り、1000PVを超えました!

こんなに早く1000PVを超えられるとは思っていませんでした。

(元々は今月下旬ぐらいには1000PVまで行きたいな・・・と

 思っていました。)


途中から読んでくれなくなった方もいます。

しかし、日々忙しい中読んでくれている方、いつもありがとうございます。

これからも頑張っていくので応援よろしくお願いします!


by そこらのk殿@24nk 2023.9/7(木) 23:47

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<9/8追記>更新が朝になってしまいすみません。

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