第38話 2つの同盟の駆け引き(4)

ーーグレイング・オブ・ロアー王国


「申し上げます!

 密偵の報告によると我々が追放した傭兵を

 リービア公国が雇ったとのことです‼︎」


「傭兵?誰のことだ。」


「イズーン・リルサ。先代が追放した傭兵です。」


「そうか。

 敵の戦力が増えたのは痛手だ。対策を立てよう。軍務卿を呼んでくれ。」


「君、軍務卿を呼んでくれるか。」


「畏まりました。すぐに呼んできます。」


「頼む。」


「そういえば、最近ブルーイン帝国に動きが無いが如何したのか・・・」


「どうやら経済政策などで国内の発展を目指しているそうです。」


「昔は軍事ばかりだったが・・・

 今の皇帝はブルーイン帝国の皇帝の中では変わっているからな。」


「予算もこれまでとは違うとか。」


「そうだろうな。」



「軍務卿を呼んで参りました。」


「「ご苦労」」


「何のご用件で。」


「うむ。我の先代が追放した傭兵をリービア公国が

 雇ったそうだ。そこで対策を考えたい。」


「分かりました。まずは周りの国を潰すことからでしょう。」


「そうですな。オウニラ王国とリービア公国の国境周辺を攻めて

 分断すれば良いのでは。」


「名案だ!様子見をしつつジワジワとリービア公国から潰していこう。

 戦の準備だ‼︎」


「「はっ」」



ーー2日後


「これより遠征を開始する!

 全軍出発‼︎」


「「「おー!」」」



ついに遠征が始まった。



ーーゴンディー・オブ・パリサ帝国


「申し上げます!グレイング・オブ・ロアー王国軍が出発しました‼︎

 本日夕方に王都に到着する予定です!」


「分かった。受け入れの準備はできているか?」


「あと1時間程で完了します。」


「急げ。兵士達の準備はできているか。」


「大丈夫です。」


「全員に伝達。作業が終わり次第集まるよう伝えよ。」


「はっ」



ーー夕方


「グレイング・オブ・ロアー王国軍の到着です!」


「兵士の方々はあの仮宿舎にお泊まりください。」


「お心遣い感謝します。」



ーー翌朝


「これよりグレイング・オブ・ロアー王国及びゴンディー・オブ・パリサ帝国連合軍に

よる遠征を開始する!」


「出発!」


「「「おー!」」」



ーー6時間後


「退くな!押し返せ‼︎」


「絶対に奴らを通すな!」


途中の平原で連合軍は敵の待ち伏せに遭った。


「これではきりがない。私が突っ込む。」


「陛下⁉︎」


「お前達は4部隊に分かれろ。

 1つは私と一緒に中央。もう1つは左翼側。もう1つは右翼側。最後の1つは殿だ。

 殿の部隊はゴンディー・オブ・パリサ帝国の皇帝に指揮を任せる。

 左翼側はうちの軍務卿が、右翼側はゴンディー・オブ・パリサ帝国の

 軍務卿に指揮を委ねる。伝えてきてくれ。」


「はっ」



ーー10分後


「突撃!」


「おー!」


敵陣が一瞬で壊滅する。


「退けー!」



「追撃しないで良いのですか?」


「問題無い。ここで一旦休憩としよう。皆に伝えてくれ。」


「分かりました。」


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

レビューを頂けると嬉しいです

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る