第30話 決戦(2)

ーーサリサ王国王都にて(現在ゴンディー・オブ・パリサ帝国が占領中)


「申し上げます!南西部が奪還されました‼︎」


「何だと・・・今 敵はどこにいる。北部で援軍を待っている状況です。」


「ならば・・・一気に多方向を攻めよう。まず南部を一気に潰す。

 次に西部→北部→東部だ。一旦王都を離れて敵を王都に篭らせてそこから

 包囲して少しづつ攻めるのだよ。」


「良いかと。すぐに実行します。」


「ああ。頼んだ。」



ーー10日後


「南部、西部の占領完了しました。」


「ご苦労であった。食糧や物資、兵士達の体力は持ちそうか?」


「問題ありません。」


「そうか。では予定変更だ。東部を攻めて敵の退路を断とう。

 そうすればオウニラ王国も援軍は出せまい。」


「では、伝えてきます。」



ーー1週間後


「東部の占領完了しました!」


「よし。では王都を離れるぞ。

 西側から回り込んで敵を王都に誘い込むぞ!」


「はっ」



ーー2日後


「1ヶ月ぶりの王都だ!」


「もう荒廃しているがな・・・」


「陛下、暗い御顔をせず明るくしましょう!1ヶ月ぶりに王都に

 戻って来れたのですから‼︎」


「ああ・・・」


勿論、これが罠だと気付いている者はいなかった。



ただ一人、王を除いては。




ーー翌日


「見事に引っかかりましたな。」


「ああ・・・恐らく彼は気付いているのだろう。」


「彼とは誰でしょうか?」


「王だ。サリサ王国の。」


「はぁ・・・まあそうだとしてもこの状態で我らが負ける訳

 ないじゃないですか。」



ーー9日後


「手強いな・・・」


既に第1・第2・第3の壁は突破したものの、第4の壁はいっこうに突破できない。


第1〜第3の壁は合計6日で突破できたものの、第4の壁は攻め始めて3日が経ったが

突破するどころか第4の壁に近づくことすらうまくいかない。


ただ、兵は強いが数が少ない。


とっておきの精鋭を使っているのだろう。


だが、それももう少しで終わりだ。



「放て!」


矢が放たれ、次々と刺さっていき、サリサ王国の精鋭達は倒れた。



ーー翌日


「申し上げます!

 王が自害したとのことです!」


「何⁉︎」


「今朝、王宮で王妃、王子、王女と共に自害したとのことです。

 また、家臣は城にはほぼ居らず、オウニラ王国に亡命したと思われます。


「そうか。撤退だ。皆に伝えよ。」


「はっ」



こうしてサリサ王国は滅亡したのであった。

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