第31話 和平条約

ーーオウニラ王国の王宮にて


「申し上げます!」


「何だね、騒々しい。」


慌ただしく入ってきた伝令兵に嫌な表情を向ける。

彼らは現在、ティータイムで紅茶を飲んでいたのだった。


「サリサ王国がグレイング・オブ・ロアー王国ならびに

 ゴンディー・オブ・パリサ帝国の軍によって滅ぼされました!」


彼らは飲んでいた紅茶を吹き出した。


「何だと!」


「王は無事か⁈」


「今朝、城で王妃様、王子様、王女様と共にご自害されました。」


「そうか・・・」


「あちらの王から生き残ってオウニラ王国にこのことを伝えるように

 命じられた家臣達がこちらに来ていますがどうしますか?」


「ふむ・・・丁重にもてなせ。」


「はっ」



「これからどうしますか。」


「ううむ・・・

 戦って勝てることはないだろう。和平交渉を申し出よう。」


「分かりました。では書を出します。」


「頼む。」




ーー翌日、ゴンディー・オブ・パリサ帝国にて


「オウニラ王国が和平を望んでいます。」


「そうか。で、条件は?」


「・オウニラ王国はこれまで通り中立国の立場とする。

 ・オウニラ王国は賠償金としてゴンディー・オブ・パリサ帝国と

  グレイング・オブ・ロアー王国に白金貨40枚ずつを払う。

 ・オウニラ王国の領土はこれまで通りの領土とし、

  旧サリサ王国の領土は貴国に任せることとする。

 です。」


「良い訳ないだろ!

 これが和平条約の条件だ。


 ・オウニラ王国はこれまで通り中立国の立場を保持して構わない。

 ・オウニラ王国は賠償金としてゴンディー・オブ・パリサ帝国と

  グレイング・オブ・ロアー王国に白金貨50枚ずつを払う。

 ・オウニラ王国の領土は現在の8割とする。

 ・勿論、旧サリサ王国の領土はこちらで管理する。


この条件が呑めない場合は戦争を続けると伝えよ。」


「はっ」



ーー翌日、オウニラ王国では


「申し上げます。ゴンディー・オブ・パリサ帝国から条件が

 提示されました。」


兵がゴンディー・オブ・パリサ帝国から提示された条件を伝える。


「仕方ない。条件を呑もう。ゴンディー・オブ・パリサ帝国に伝えてくれ。」


「はっ」



ーー1週間後、旧サリサ王国 旧王都


「それでは、条約を調印致します。」


ついに和平条約が結ばれ、戦いより前の関係に戻った。


調印式にはグレイング・オブ・ロアー王国、ゴンディー・オブ・パリサ帝国、

オウニラ王国の各国の王が参加した。



ついにグレイング・オブ・ロアー王国とゴンディー・オブ・パリサ帝国の

連合軍 対 サリサ王国とオウニラ王国の同盟軍による戦いが終わった。

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