第28話 サリサ王国王都防衛戦

あれから10日程でサリサ王国の西部はグレイング・オブ・ロアー王国と

ゴンディー・オブ・パリサ帝国の連合軍によって占領され、

東南部もゴンディー・オブ・パリサ帝国の軍が2〜3日に一つの頻度で

町を攻め落としている。


そして、次に連合軍が目を付けたのは・・・



王都である。



東側はまだ北東部の4つの町のうち2つの町以外は手付かずであったが、

王都を攻め落とせば敵の士気はかなり落ちると考えたからである。




「かかれー!」


ゴンディー・オブ・パリサ帝国の『近衛長隊』が先陣を切って突っ込む。


約20秒で城塞都市である王都の門は突破されたのであった。


「1つ目の壁を突破したぞ!」



サリサ王国の王都は4重の石壁に囲まれている。


1つ目の壁を抜けると、農民達の畑や民家が広がっている。


2つ目の壁を抜けると商店、一般市民(商人、職人)の家がある。


3つ目の壁を抜けると貴族や武将の屋敷や役所がある。


そして4つ目の壁を抜けると王城がある。



という構成になっており、1つ目の壁と2つ目の壁の間は自由に行き来ができ、

2つ目の壁から3つ目の壁へ行くには用件を衛兵に伝えて許可を貰うことで

通ることができる。



「金品や作物は回収しろ!

 とりあえず今日はここで野宿だ‼︎

 上級武将は私の許可を取れば周囲の民家を使っても構わん。

 その他の兵はここの陣幕の中で泊まれ!」


「「「はっ」」」



ーー翌日


「出撃だ!」


「「「おー!」」」



「しかしながらかなり広いですな。」


「ああ。どれ程の時間と人手と金を使ったのか・・・

 まあそれもあと少しで無駄になるがな。」



ーー10分後


「かかれー!」


「盾を構えろ!」


「突き崩せー‼︎」


「退けー!」


「進め!

 そのまま市街戦に持ち込んで市街地も制圧する!」



ーーその頃


「申し上げます!第2の壁が突破されました‼︎

 現在は市街地で乱戦状態になっています!」


「早すぎる・・・住民は⁈」


「既に避難は終了しております。」


「ふう・・・だが安心してられんな・・・」


「では、一旦王都を捨てましょう。」


「どういうことだ!」


「一旦東部に退いて態勢を立て直し、反撃に出るのです。

 勝てば最終的には王都も奪還できます。」


「そうか・・・分かった。

 すぐに準備をさせろ!」


「はっ」



翌日、王と家臣団は王都を捨てて東部に逃げた。


そして、王都はグレイング・オブ・ロアー王国と

ゴンディー・オブ・パリサ帝国の連合軍によって制圧された。

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