第27話 屍の街道(2)

兵士に引き摺られていった代官は牢に入れられ、尋問をされて情報を

抜き取られた。


宿場町の住民は殺されるか捕らえられた。


「今日はここで休む。明日からは本格的に北部の町を攻める。

 しっかりと休息をとるように。」


「「「はっ」」」


ーー翌日


「まずは北西部を潰す。出立!」


宿場町を出て西の方角へ進軍していく。

北西部にはこの街道をそのまま西に進めば行ける。

北西部には大きな町が1つ、中規模の町が3つ、小規模な町が4つある。

まずこの先には観光で栄えている町があり、分類上 中規模の町だ。



ーー2時間後


「突っ込めー!」


『神龍隊』と『近衛長隊』が先陣争いをしながら街の中に突っ込む。



ーー1時間後


「街の中はほぼ制圧したぞ!」


「まだだ!高台にある領主邸に残党が集結しているぞ‼︎」


伏兵は使えない。こうなったら。


「撤退したフリをしよう。

 そうすれば街に戻ってくるはずだ。」


「では早速。」


「退けー!

 次の町を目指せ!」



ーーその頃、領主邸では


「敵が撤退していくぞ!」


「よし!すぐに戻ろう‼︎」


「いや。少し待ってから戻ろう。」


「そうです。敵が撤退したフリをしている可能性もあるからな。」


ーー10分後


「流石にもういないみたいだな。」


「ああ。戻ろう!」



しかし



「放て!」


矢が丸腰の住民達に突き刺さる。


「まだいたぞ!領主邸に戻れ‼︎」


そう叫んだ領主は後ろを振り向くと鬼の形相で突っ込んでくる

敵兵以外の人間は見えなかった。


つまり、全滅したのだ。


「全員、撃て!」


放たれた矢が次々と刺さり、領主は死んだ。


そして、この町も全滅したのだった。



ーー3日後


それから2日でサリサ王国北西部のうち大規模な町一つを残し、陥落した。


「次で最後の町だ!

 気を抜かず徹底的に潰すぞ!」


「「「はっ!」」」


ーー2日後


初日は力攻めを決行したが高台に住民や兵が逃げ込んだ為、

現在は兵糧攻めをしていた。


「敵の数も減っています。恐らく食糧が不足し始めたのでしょう。」


「しっ。微かに争う声が聞こえる。」


耳を澄ますと争いの声が聞こえる。


ーーその頃、高台にいるサリサ王国方は・・・


「もう降伏した方がいいだろ!」


「うるさい‼︎ 徹底抗戦だ!」


「もう食糧も少ない。この人数だとあと数日しか持たないぞ!

 既に餓死者も出ているんだぞ!」


「分かった。じゃあこうしよう。」


降伏を勧めた男の腹に短剣ダガーが突き刺さる。


「ゴフッ」


血を吐いて男は倒れた。


「人が多いならお前が死ね。そしたら人数が減るだろ。」


そう吐き捨ててその場を離れていった。



ーーグレイング・オブ・ロアー王国・ゴンディー・オブ・パリサ帝国の陣


「密偵の報告によると降伏をしようとした者達が粛清されているようです。」


「では矢文を送るのだ。降伏を申し出た者の命は保証するとな。」


「畏まりました。」



ーーサリサ王国方


「何だ⁉︎」


「矢文だぞ!」


「何て書いてあるんだ?」


「すぐに降伏すれば命は助けるとのことだ!」


「降伏しよう!」


「まて!」


領主が叫ぶ。


「これは罠だ!恐らく出てきたところを弓で狙い撃ちにされる!」


「いや。俺はその僅かな可能性にかける!」


「「「俺も!」」」


「「「私も!」」」


「待て!」


しかし、領主やその取り巻き以外の殆どの人間は降伏していく。


「愚か者どもが・・・勝手に死んどれ。」



しかし



「うむ。これで全員だな。約束通りお前達は赦そう。」


「「「ありがとうございます!」」」



ーーその頃


「何故だ!」


「領主に騙された・・・」


領主の言葉を信じ、降伏しなかった人達は領主のところにいった。



そして



「がはっ」


領主の背中に剣が刺さった。


「死ね!」


領主の首が刎ねられた。



ーー5分後


「もう降伏する者はいないようだな。」


「待ってくだされ!」


「何者だ!」


すぐに剣を向ける。


「俺たちも降伏します!」


「そうか。あの高台に人は残っているのか?」


「いえ。」


「では領主は何処だ。」


「我々が殺しました。」


「何故。」


「俺達を騙したからです。」


「そうか。分かった。向こうに降伏した他の者達がいる。

 誰か、案内してやれ。」


「はっ」



そうして遂にサリサ王国北西部の町は全てグレイング・オブ・ロアー王国と

ゴンディー・オブ・パリサ帝国の連合軍によって攻め落とされたのであった。


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長さが過去最長になってしまいました。(1777文字)

素早く読みたかった方、ごめんなさい。


これからも応援よろしくお願いします!

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