第24話 港町での共闘(2)

ーーオウニラ王国にて


「申し上げます!サリサ王国から援軍要請がきています‼︎」


「理由は⁉︎」


「グレイング・オブ・ロアー王国に攻め込まれたそうです!」


「何と!」


「何故このタイミングで・・・」


「落ち着け!」


王の一喝で一気にその場が静まる。


「すぐに援軍を出陣させる。準備をさせろ!」


「「「はっ!」」」



ーーその頃、サリサ王国南部の港町では


「住民の方はすぐ北へ逃げてください‼︎」


騎士団が住民の避難誘導をし、王都から駆けつけた軍は海岸に防衛線を

決め、それより少し前に土嚢を置いてその裏に弓兵を待機させていた。 

そして、続々と兵士が町中に散らばっていった。


「司令官。迎撃の準備が整いました。」


「分かった。いつ敵が上陸してきてもいいように臨戦態勢をとれ。」


「はっ」


ーー5分後


「来たぞ!敵が小舟で接近してきてるぞ‼︎」


「弓を構え!」


敵兵が足を小舟から出した瞬間、


「放てー‼︎」


グレイング・オブ・ロアー王国の兵に向かって矢が放たれる。


しかし、矢の6割は盾で防がれてしまい、他の矢は兵士に

当たった矢もあったが残りは外れた。


「第2射急げ!」


次々矢が放たれる。


「進めー!」


ついに上陸してきた。


「防衛線まで後退せよ!」


雪崩のように兵が後退していく。


「今だ!突っ込め!」


「矢を放て!」


無防備な兵士達に次々と矢が当たっていく。


しかし槍兵の決死の突撃により防衛線は崩壊。


サリサ王国の兵が次々に討たれていく。


しかし、街の民家や商店の屋根に登っていた弓兵が上から弓で敵兵を

狙撃していき、戦いは一進一退の攻防の繰り返しになっている。


「かかれー!」


街の入り口付近から兵士達が向かってくる音が聞こえてくる。


「奴らはまさか・・・」


「オウニラ王国じゃないか!」


「何でだよ!」


グレイング・オブ・ロアー王国の兵士の疑問に答えるように

オウニラ王国軍の司令官が叫ぶ。


「何たって我が国はサリサ王国と同盟を組んだからな!」


「「「ふざけんな!」」」


兵士達の声が響く。


「おっと。今は戦いの真っ最中だぞ?」


「へ?」


先程まで叫んでいた兵士の腹に矢が刺さる。道路越しに狙われていたのだった。


「そろそろ決着をつけようじゃないか!」


果たして、この戦いを制するのはどちらの軍なのか。

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