第23話 港町での共闘(1)

ーーサリサ王国にて


「ついに東側もどうにかなりましたな。」


「うむ。東側の憂いを取り除けたから次は西側だな。

 そういえば国内の状況を教えてくれ。」


「はっ。国内ではオウニラ王国の人々が移住してきたり、

 オウニラ王国の国民である行商人が物を売りに来たりと

 街は栄えています。」


「ところで、オウニラ王国から移住してきた者は

 我が国に昔からいる国民と同じ扱いで大丈夫でしょうか。」


「税などの義務や権利は昔からいる国民と同じ扱いで問題ないと思う。

 役人に取り立てる時も昔からいる国民と同じようにせよ。」


「はっ」


「それで話を戻すが西側はどうする。」


「前にも申し上げた通り、伏兵を森に忍ばせておき、要所には

 関所をつくります。そして関所には衛兵は勿論、通常の兵士も

 交代制で常駐させるのが良いかと。」


「それが良い。では、各々頼むぞ。」


「はっ」



ーーオウニラ王国では


「貿易のおかげで今年の税収は1.3〜1.4倍になる見込みです。

 また、街も栄え市場はとても賑わっています。」


「かなり良いではないですか!やはり同盟を結んで正解でしたな。」


「ああ。初の同盟国だ。丁重にもてなし、裏切りなどされないように

 しなければな。ただ、勿論こちらとしても意見は述べるし、

 場合によっては反対もするだろう。とにかくお互い信用しあえる

 ようにしなければな。いくらこちらが尽くしていても信用されなく

 なったら同盟も、外交面でもおしまいだ。そこは意識しておけ。」


「「「はっ」」」



ーー1週間後


「申し上げます!港町に敵が迫っているようです‼︎」


「何だと!ゴンディー・オブ・パリサ帝国め、もう動いたか。

 同盟の件は悟られていないだろうな‼︎」


「はい。同盟のことは悟られておりません。

 ただ、攻めてきたのはゴンディー・オブ・パリサ帝国ではありません。」


「何⁉︎ ではどこの国が!」


「グレイング・オブ・ロアー王国です!」


「何だと⁉︎」


ここ最近、攻めてくるのはゴンディー・オブ・パリサ帝国ばかりで

その存在をすっかり忘れていた。


ゴンディー・オブ・パリサ帝国の同盟国、グレイング・オブ・ロアー王国。


「オウニラ王国に援軍要請を出せ!我らも準備が出来次第すぐに出陣だ‼︎」


「はっ‼︎」


港町をめぐった戦いが始まった。

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