第22話 サリサ王国とオウニラ王国(2)

ーーオウニラ王国にて


「申し上げます。サリサ王国から使者が来ております。」


「何だと⁉︎ 何の用で・・・」


「理由は分かりませんがとにかく話してみた方が良いかと。」


「そうだな。すぐに連れてこい。」


「はっ」


「サリサ王国が何の用なのか・・・」


ーー3分後


「陛下。連れて参りました。」


「道中、ご苦労であった。」


形だけの労いの言葉をかける。


「して、何の用だ。」


「我が国の王は貴国との同盟を望まれております。」


「何と。貴国は何のためにそのような・・・」


「リーウィー。口を慎め。」


リーウィーと呼ばれた小姓が黙る。


「理由はご存知の通り、我が国はゴンディー・オブ・パリサ帝国との

 戦いの真っ只中であり、現在我が国と同盟を結んでいる国がありません。

 そこで、貴国との同盟を我が王は考えているのです。」


「そうか。では、仮に同盟を結んだとしてこちらに何の利益があるのだ。」


「まず、我が国から海の幸と我が国自慢の彫刻が彫られた武具や調度品を

 贈らせていただきます。また、貴国に我が兵を駐屯させ非常時には

 すぐに出陣いたします。そして、我が国の商人と貴国の商人による

 貿易を我が国ならびに貴国公認とし、自由に貿易をさせることで

 収入も手に入ります。また、戦争になった場合は軍資金や兵を

 貴国に送ることにいたしましょう。」


「悪くない。とりあえずこの後、家臣達に意見を伺う。

 それにより賛成を得られたら同盟を結ぼう。

 ただし、反対の意見が多かったらこの話は無かったことにする。

 それで良いな。」


「問題ありません。」


「うむ。遠路はるばるご苦労であった。

 帰路で盗賊などに襲われるかもしれん。気を付けて帰るように。

 では、下がって良いぞ。」


「では、失礼致します。」



ーー翌日


「・・・という訳でサリサ王国が同盟を組みたいと言ってきたが

 どうするべきか、お主達の意見を聞きたい。」


「良いと思います。

 味方が増えるに越したことはありません。」


「そうです。万が一の為にも味方は増やしておくべきです。」


「そしてこの国や国民にも利益があります。」


「では、同盟は結ぶということで構わないか。」


「「「はい。」」」



ーーさらに2日後


「それでは締結といたします。

 我が国からのお礼の品は後日お届けしますが武具の彫刻内容に希望は

 ありますでしょうか。」


「無い。こちらからも今度 返礼品を送ろう。」


「分かりました。では失礼致します。」



ーー10日後


サリサ王国からオウニラ王国には彫刻がされた長剣ロングソードや槍、

調度品、そして海の幸などが届けられ、オウニラ王国からはサリサ王国に

山の幸や織物、鉱山資源などが届けられた。

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