第19話 迎撃用国境第2要塞の戦い(3)

ついにゴンディー・オブ・パリサ帝国の『神龍隊』による総攻撃が始まった。


「進めー!」


戦闘にいる30人程の兵が前に進み、盾を構える。

すると後ろにいた兵達も前に進む。


後ろにいた兵士達は剣を持っている者、切刃造によく似た刀身の付いている

短槍を持つ者など人によって色々な武器を持っている。


「進めー!」


また兵士が前へ進む。


しかし、


「撃てー‼︎」


矢が放たれた。


「おいおい、嘘だろ⁉︎」


しかし、兵に当たったのは約30発の矢のうちたったの3発だけで

他は避けられたり盾に防がれたり矢を撃った兵の腕前が悪いのか

明後日の方向に飛んでいったりした。


「進めー!」


また兵士が前に進む。


これがさらに2回繰り返され、


「かかれー‼︎」


一気に兵士が突っ込む。


「正面に剣や槍を持った騎士を待機させ、

 槍を持った兵を横に隠れて突っ込んできたところを槍で刺す。

 そして陣形が崩れたところに正面の兵を突っ込ませる。

 失敗は許されない。集中して取り組め‼︎」


「「「はっ‼︎」」」


敵が上り坂を登って突っ込んできたが横から飛び出てきた槍に刺され、倒れた。


槍を持った兵が下がると正面から騎士を突っ込ませた。


「くそ‼︎退けー!」


「させるか‼︎」


後ろから伏兵が襲いかかり逃げ道を塞いだ。


「そのまま押し切れ!」


一人の騎士が伏兵達にそのままの勢いで突っ込み、

強行突破を図る。


「進めー‼︎」


他の騎士や兵士も突っ込み、次々と伏兵を倒していった。


「退けー‼︎」


ある程度伏兵を倒したのかそのまま陣へ引き返していった。


日が西に傾き、空がオレンジ色に染まり始めていた。


要塞の中の別の方向に耳を傾けたがサリサ王国方が全て勝ったようだ。


「皆を集めてくれ。」


「はっ」



ーー15分後


「今日の戦いでは我らが勝利した。

 ただ、敵は皇帝直属の軍だ。油断はできない。

 援軍が来るまで何日かかるか俺にも分からない。

 だから、今夜は身体をしっかりと休めるように。

 明日もまた頑張ろうぞ!そしてゴンディー・オブ・パリサ帝国から

 自由を勝ち取ろうぞ‼︎」

 

「「「おー‼︎」」」


「それでは解散致します。しっかりと休息を取られるように。」


「「「はっ」」」



ーーゴンディー・オブ・パリサ帝国の陣にて


「最悪だ!この『神龍隊』がただの兵隊に負けるなんて・・・」


「司令官、明日の戦いで勝てば汚名返上もできるでしょう。

 とにかく今夜は休息を取らなければ明日の戦いに

 影響が出ますぞ。」


「分かった。お前の言う通りにしよう。」


「では、失礼します。」


迎撃用国境第2要塞(仮称)を巡る戦いの3日目が終わった。

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