第三章 サリサ王国の戦い

第16話 サリサ王国

サリサ王国の王侯貴族達。

それは民衆からの評判が周りの国に比べてかなり悪く、信用もされていない。


その理由は貴族達が贅沢の限りを尽くしているからだ。


しかし、それは先代の王の治世までの話であって今では貴族に

倹約を命じ浮いたお金で国内の財政を整えた。


その分先代の王の頃から当主である貴族達からの不満は大きい。


現在では国内も安定し始めた為、今後は国の領土を広げつつ

国内の発展を図る政策をとる。


その第1歩として密偵をゴンディー・オブ・パリサ帝国に

潜入させたが約3週間で連絡が途絶えた。

恐らく見つかってしまったのだろう。


その結果がこれだ。


王である彼の机に置いてある書類。


ゴンディー・オブ・パリサ帝国からの警告だった。


『今回の件の和睦条件は以下の通りである。

 ・これ以降は貴国と我が国の国境に関所を設けることとする。

 ・我が国ならびに我が国の同盟国へ貴国から不審な人物が

  来た場合はその者を即座に捕縛、連行する。

 ・また、貴国の外で軍事行動をする際には必ず

  我が国に通達すること。

 ・貴国は賠償金として白金貨20枚を払うこと。


 以上の条件である。

 貴国が断った場合、我が国は貴国に攻め入る為ご覚悟なされるように。


 ゴンディー・オブ・パリサ帝国皇帝 パリソウン1世 』


賠償金の白金貨20枚などで国の財政が傾くことはない。

しかし、この条約を結んだ場合行動を全て監視されるようなものだ。


保留にする。それが一番良い。

ただ、向こうから催促の為に使者を寄越してくるかもしれない。

その際は切り捨てれば良いだけだ。


国益を失うわけにはいかない。



5分程考え、結論が出たようだ


「この和平条約は保留とする。」


「では・・・ゴンディー・オブ・パリサ帝国には

 どう返事をすれば良いのですか。」


側近の文官が少し焦りながら聞く。


「無論、返事はしない。

 書状で催促してきても極力無視。使者を寄越してきたら切り捨てる。

 ただし、使者を切り捨てる場合は秘密裏に行う。民衆は勿論、

 関係者以外全員に知らさない。」


「はぁ・・・分かりました。」



ーーー1週間後、ゴンディー・オブ・パリサ帝国にて


「もう1週間も経ったのにまだ返事が来ないな・・・」


皇帝のパリソウン1世が唸る


「恐らくは保留にして時間稼ぎをしているのでは・・・」


「確かにその可能性もあるな。紙とペンを持ってきてくれ。」


「はっ」



「よし、武力で脅せば多少はどうにかなるだろう。」


10分後、サリサ王国に対する催促の書状を書き終えたようだ。


内容は


『あれからすでに1週間が経っている。すぐに返答せよ。

 さもなくば貴国に攻め入ることになるだろう。

 猶予を4日与える。それまでに返事をせよ。

 

 ゴンディー・オブ・パリサ帝国皇帝 パリソウン1世 』



ーー翌日、サリサ王国にて


「申し上げます‼︎ 催促の書状が・・・」


「うるさい!全て無視しろと申しただろう‼︎」


「それが・・・」


文官に書状を見せられて顔が絶望に染まっていく。


「すぐに戦だ!総員戦闘用意‼︎」


サリサ王国の存亡をかけた戦いが始まろうとしていた。


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<お知らせ>

近況ノートで閑話の投稿もやっています!

作中の裏話や第1話開始以前の出来事など色々書いていく予定です‼︎

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