第14話 ゴンディー・オブ・パリサ帝国の受難(2)

ゴンディー・オブ・パリサ帝国の軍務局の中では慌ただしく職員が

行き交っていた。


「どの騎士団を出動させるべきか・・・」


「そうだな・・・」


休憩時間中でも仕事の話である。それほどまでに彼らが忙しい理由は

帝国の領土に敵が侵入したからである。


「グレイング・オブ・ロアー王国に援軍を要請しよう。」


「ああ。奴らを返り討ちにしてやる!」




軍務卿は執務室で各騎士団長と作戦会議をしていた。


「まず、近衛騎士団と帝都第1、第2騎士団は帝都の守りを固めてください。

 次に帝都第3、第4騎士団は帝都周辺の街道などの警備をお願いします。

 特に北側を重点的にお願いします。

 ただし、近衛騎士団は帝城を守れるようにもしていてください。」


「我ら第5騎士団はどうすれば良いのだ?」


「帝都第5騎士団は戦闘時に援軍として駆けつけられるように

 詰め所に待機していてください。」


「分かった」


「それでは明日より、よろしくお願い致します。」




ーー1時間後


軍務卿は次は帝城で皇帝や武官達と話し合っていた。


「敵は北側から来ます。

 各騎士団は帝都や周辺の街道の警備をさせることとしました。」


「兵士はどこに配置する」


「はい。この3か所に兵を重点的に配置します。」


「また、グレイング・オブ・ロアー王国からの援軍も来るとのことです。」


「兵力は十分だな。あとは敵がどこから来るか・・・」


「例の4人組は恐らく斥候役でしょう。」


「ならば奴らはその後に軍を差し向けてくるということか。」


「はい。恐らくは。」


「そうか。では各々頼むぞ。」


「「「はっ」」」




ーー翌日


帝都周辺に厳重な警備体制が敷かれ始めた。


「しかしながら敵が攻めてくるとは恐ろしや・・・」


「こんなこと生まれて初めてだ。」


庶民達も怯えているようだ。

しっかりせねばと軍務卿は思った。



その日は敵を見つけることはできなかった為か

軍務卿は少し焦っているように見えた。

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