第6話 ブルーイン帝国で起きたクーデター(2)

第2騎士団らによる『ザシス派』の別働隊が進軍を開始した。


彼らの数は歩兵が約150人、騎馬が25騎。ユズーン台地の西側に回り込み、

『ローチラン派』の本陣に波状攻撃を仕掛けて混乱を起こし、その隙に

『ザシス派』の本隊が正面から突っ込み、壊滅させる予定のようだ。




その頃、『ローチラン派』の本陣では・・・


「『ザシス派』の軍勢に怪しい動きが見られますが、どういたしますか。」


早くも奇襲が察知された。


「ここは我が方のリージア辺境伯家の領地だ。地の利はこちらが得ている。

 おそらく回り込んで本隊と同時に攻撃してくるのだろう。」


「敵は多方向からの攻撃をしようとしている、ということですか?」


「ああ。本陣全体の防御を強化するよう命じよ。」


「はっ。」


『ローチラン派』は『ザシス派』が奇襲を仕掛けようとしていることには

気付けたものの、波状攻撃→本陣が混乱→総攻撃 ではなく、

バレないように回り込んで待機→本隊と同時に多方向からの総攻撃と

考えてしまっている。



その後、『ローチラン派』本陣の側面には即席の馬防柵が建てられた。




そんな事は露知らず 20分後、『ローチラン派』本陣から

150m程離れた場所にて、『ザシス派』の別働隊は・・・


「申し上げます。物見によると敵は陣の前に馬防柵を建てているようで・・・」


「何だと‼︎それでは騎馬隊が入れないではないか‼︎」


「如何なさいますか、指揮官。」


「歩兵隊に長槍を持たせて破壊するしかあるまい。急いで準備せよ。

 くれぐれも近づいていることを悟られるなよ。」


「はっ。」



そこから15分後『ローチラン派』の本陣から30m程離れた場所にて・・・


「皆の者、敵は気づいていない。一気に攻めかかり馬防柵を破壊するのだ。

 馬防柵を破壊したら、一旦下がってくれ。騎馬隊を突撃させる。

 そしたら、諸君らも敵陣に突っ込め。よいな‼︎」


「「「ははっっっ‼︎」」」


「進めー‼︎」


「「「おー‼︎」」」


「ぶち壊せ‼︎」


「「「おー‼︎」」」



「申し上げます‼︎敵が攻め込んできました‼︎」


『ローチラン派』の兵士が叫ぶ。


「すぐに反撃だ‼︎急げ‼︎」


「はっ‼︎」



10分後、馬防柵のほとんどが破壊された。


「退けー‼︎」


『ザシス派』の指揮官の声で『ザシス派』の兵達が一斉に退いていく。


「なぜこのタイミングで・・・」


『ローチラン派』の指揮官が考えを巡らせる。


その後10分も経たないうちに馬の蹄の音が近づいてくる。


「進めー‼︎」


「「「おー‼︎」」」


『ザシス派』の騎馬隊が攻めかかってくる。


馬防柵は破壊されたままで無防備の本陣が騎馬隊により荒らされていく。


「今だ‼︎かかれー‼︎」


今度は『ザシス派』の本隊も攻めてくる。


流石に形勢不利と感じたのだろう。


『ローチラン派』の兵達が一斉に北東の方角へ逃げ去っていく。


「追撃しますか?」


「いや、しないでいい。少しは兵を休ませねばな。」


「はっ。」


「「「勝ったぞー‼︎」」」」


「「「敵を追い払ったぞー‼︎」


兵達は歓声をあげる。


「帝都へ帰るぞ‼︎」


「「「はっ‼︎」」」


初戦は『ザシス派』の圧勝で終わったのであった。



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投稿をお休みしていて申し訳ございません。

以降もこのようなことがあると思いますがご理解・ご了承の程

よろしくお願い致します。

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