第3話 ブルーイン帝国の派閥争いと内紛の火種 

ブルーイン帝国の13代皇帝であるリコーン・ブルーイン 通称『リコーン帝』は

ある問題で頭を抱えていた。


それは、派閥争いであった。



1つ目はシュタール・ザシス公爵を筆頭とし、

イリア・スタン侯爵次男らも含む『ザシス派』


2つ目はナマソ•ローチラン公爵を筆頭とし、

クヘン•リーランド侯爵らを含む『ローチラン派』


この2つである。


『ザシス派』は商業や農業、工業を重視し、領土の拡張は一旦後にし、

まずは国内をより発展させることが大事だと主張している。


それに対して『ローチラン派』は従来以上に軍事を重視し、領土を広げて

ブルーイン帝国の名を世界に轟かせ、戦争で手に入る労働力や資源、財産を

もう少し手に入れてからにすべきと主張している。


自国の中で派閥争いが起きた場合、内紛の火種となる可能性がある。

いち早くこの派閥争いをおさえなければ。

そう思ったリコーンは打開策を考えていた。



その頃、『ローチラン派』の主要人物達がローチラン公爵家の別邸に

集まっていた。


「皆様方、お忙しい中お集まりくださりありがとうございます。」


集まりの主催者であるナマソ•ローチラン公爵が声をかける。


参加していた貴族のうちの一人、クヘン•リーランド侯爵が

頭を下げる。


「公爵様も我らの為にご都合をつけていただきありがとうございます」


「そろそろ堅苦しいことは抜きにして本題といこう。」


ローチラン公爵が言う。


この集まりは表向きは『ローチラン派』の者達によるアンビリサ王国の

領土征服を祝うパーティだが、実際は仲の悪い『ザシス派』の者達を

どうやって失脚させるかを考える為の会議であった。


「まず、我らには第2王子で軍務卿のイヴァイ・ブルーイン殿下がついている。」


リーランド侯爵が口を開いた。


「そうだ。そしてイリア・スタン侯爵家次男をどうにかしなければ。

 あの男は異様に察しがいい。我々も気を付けなければ」


ローチラン公爵が答える。


「ローチラン公の仰る通りです。いっその事クーデターでも

 起こしてしまいましょうか?」


ぶっ飛んだ提案をする彼はリージア辺境伯家嫡子であるカーペ・リージアである。


「いや、クーデターは最終手段だ。どうやっても上手くいかなかった場合に

 使う。」


冷静にローチラン公爵は答える。


「では、やはり謀反の疑いをかけるべきでしょうか。」


カーペは言う。


「そうだな。それが一番手っ取り早い。」

「さて、何を口実にするべきか・・・」


「ローチラン公、実はこのような噂が・・・」


迷うローチラン公爵に話しかけたのはグロッセ子爵家当主のエルヂ・グロッセで

あった。


そして、イリアがアンビリサ王国の国王であるロイン・アンビリサを倒した後、

彼の遺体を丁寧に土に埋めたこと、彼の使っていた剣を自分の屋敷に

持って帰っていたことを話した。


「でかしたぞ。グロッセ子爵。よし、これでいくぞ!」


「「ははぁっっ!!」」


そこには、ローチラン公爵の宣言に従う貴族達の姿があった。



※作者の事情により今は不定期更新となっていますが

 どうかよろしくお願いします。

※今回は作者もキリがつかずにいつもより約1.5倍となってしまいました。

 手短に読みたかった方、申し訳ございません。

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