最終話『ごはんづくり』

「あっ。めぐ、あんたチーズケーキ食ったな」

 水切りかごに置かれた食器を見て、ゆうかは困り気味の口調で言った。

「げ。なんでわかったの」

 めぐがソファから立ち上がる。チーズケーキを型どるためにつかった容器をゆうかが指さす。

「あ~。片付けるのわすれてた」

「もう、さっさと夕食の準備に取り掛かるよ」

 

 ゆうかがごはんを茶碗によそう。

 その間にめぐは、昨晩食べたカレーの残りを入れたタッパをレンジで温める。

「なんか、カレーのいい匂いがしてきた」

「ほれほれ、つったてないでお皿準備して」

 ゆうかは真っ白な器に乗った真っ白なごはんにカレーをたっぷりかけた。湯気があがる。めぐをサラダやコップをテーブルに並べた。


 二人が席に着き、両手を合わせる。

「いただきます」

 スプーンでアツアツのカレーをすくい、口へ運ぶ。

「うま~」

「うますぎる」

 めぐがゆうかをみつめる。

「決めた。あたしもうお菓子食べないし、だれかに作ったりしない。あたしこれから料理を頑張ってみようと思う」

「急にどうしたの。」

「ゆーさんの手料理がうますぎるってこと。あたし、ゆーさんに負けてられないから」

「なにそれ」

 二人は笑いあった。




おわり。

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27作品目「明日、なに食べようか?」 連坂唯音 @renzaka2023yuine

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