村ウダ2
「術なんて大層なもんじゃないわい」
んなこというと教えてくれた
「ワシのは払いと突きで手を分けるが、先生は払った手でそのまま突いてくるからの。本弟子なら兎も角、朝のラジオ体操レベルの修練じゃから大げさに考えんでくれよ」
そいや埼玉で働いてたときの行きつけの酒場のマスターもワンちゃんだったな・・・つか知ってる中国人の男の名前みんなワンちゃんじゃん。
「大人でも習得できるのでしょうか?」
「大人かあ・・・この修練のキモは感情を猛らせてガチでひっぱたき合うとこじゃからの~~~」
前世の西や北の大国じゃボクシングや空手の形で年少から中等までの義務教育に取り入れたら死人がわんさか出て中止になったくらいじゃし。
「なるほど、それでは・・・危険ですな」
「なんじゃ、娯楽が欲しいのか?」
「・・・なにもない村ですので」
戦闘訓練か。
「フッ、政治が絡むとなんでも反乱準備になっちまうからの~~」
「いえ、それは・・・」
「助けも援助もない上に武装も制限されろくに訓練は出来ない、か」
「我が村はアルビヲンに属することで充分に女神様の威光に守られております。感謝以外ありませんぞ」
アルビヲン、それがこの依り代の属する宗教国家の名前らしい。
「うむ、善き哉。感謝は女神に。税は都に。励むがよい」
「幸甚であります」
手が止まっちまったな。
ほんとウンコ臭い中でなんの遊びをしてんだか・・・
「・・・まあ、今回の奇跡も政治がらみだけどさ、井戸くらい掘ってやるよ。どんな水出るかわかんねーけどwww」
「掘れるならば、それは有難いですが」
土止めか。
「あー、石もコンクリもないんだっけ。・・・土魔法とかでいけんじゃね?」
英語で石、てなんだっけ・・・ストーン?
「ストーンストーン☆湖池屋ストーンズ!!!」
欲しいと思ったサイズの石がゴットンゴットンと積み上げらえてゆく。
「はわわ、とまれー!」
28インチテレビくらいのサイズの製材された石がピラミッド型に積みあがってしまっている。
こんなん素手じゃ持ち上がらんぞ・・・
頂上へ上り確実に自分10人分はあるであろう重さの石の塊を慎重に持ち上げてみる。
「・・・空の段ボールか?」
冷たくザラついた石の肌がすんげーリアルなペーパークラフトて感じだ。
お盆をもつように片手に乗せながらピラミッドを駆け下りると、なぜかそのまま足から地面へスコーンと沈んだ。
「聖女様!」
「・・・落とし穴ではないみたいじゃな」
また悪戯か!と一瞬思いかけたが吸い込んだ土砂をペッペと吐き出し、石を見る。
かなり重量感のある音・・・ドシ~~~ン、て音してたよなあ。
「村長、背中かしてくれい」
駆け寄ってきた黒ちん村長の背後にまわりこみ、飛びつく。
「どうじゃ?」
「は・・・その、何がです?」
いきなり背中に跳び付かれたてどーじゃもなんじゃもないかwww
「わしの重さ、どんな感じじゃ?」
「はあ、その・・・お姿なりかと」
降りる。
ま、井戸でも掘るか。
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