回復魔法とかで恩着せがましく助けて良い気持ちになるやつ

レジュ～イクション

「あ～わかるわかるｗやっぱ集めちゃうよなぁ破片ｗｗｗ」

脳や髪の毛がフサでついたままの肉片などを泣きながら集める女子を見ながら、思わず漏らしてしまう。

むちゃくそ睨まれたけど、むべなるかなというとこじゃ。

免停講習なんかで交通課のお巡りさんが脳みそ拾い集めるハナシしてくれて「うわ汚ねえなぁ・・・」なんておもっちゃうけどさ、みんな当事者になりゃやっちゃうって。

友人や家族のヤツどころか自分のワタだったりしたらもう泣きながらかき集めるし。

「コイツの母親も泣きながらアスファルト・・・石畳かｗ叩いたりすんのかね～・・・肉潰れて骨がでるまで。パコッ！パコッ！て変な音立てながらｗｗｗ」

「黙れ！悪魔め！」

これぞ裂帛、というくらいの鋭く激しい罵り声とともに突き出された短剣（むちゃくそデカい）を緩くやさしく巻き込むように手首ごとつかみ取り、幼年のマゴを扱う慎重さでソッ・・・と地面に転がす。

つーかやっぱジブンが子供のせいか女でもむちゃくそデカく感じてビックリパンチとかで自動反撃しちゃいそうでめたくそ怖い。

ころりぽてん、て感じに転がった女は素早く起き上がり構えをとるも、目の決死の光は口惜しさにゆらぎナイフを落とし地に付して嗚咽する。

子どもか。

男でも女でも、泣いたとこから戦わなきゃ強くなれんぞ。

ワシもなれなかったしｗｗｗ

もう一人の女は男の骸に肉片を集め、慎重に組み合わせを試行錯誤していた。

パズルか。

「なんか復活の魔法とかあるん？」

女は色の抜けた長いまつ毛をふせる。

美女じゃのぉ～～～やっぱ白人てスーパー人類だわ。

「そのような奇跡、神ならぬ身でもなければ・・・シーヴェル様におすがりするほかありませぬ」

「フン、仇に縋るか。その意気地や由」

肩に垂れる聖衣（というハナシのポンチョ）を跳ね上げながら両腕を上げる。

「使命に倒れし聖堂の騎士、その名はオーギュスト。彼の者、慈悲に迷えど業を果たせし。この地に使徒を誘い奇跡を齎さん。今、その骸の傍らに侍る二人の女の願いによりワレ、死出より連れ戻す儀を行う」

パフォーマンス系プロテスタントの神父・・・じゃなくて牧師だわｗｗｗｗｗ

ぽく腹式呼吸でＣ５あたりから呪文の詠唱っぽく聞こえるように死体の来歴を謳う。

いや、絶対音感F5＃しか無いうえ聞かなきゃわからんパッシブ音感だから仕方ないんじゃよ～～～～

「神と聖霊の名において命ずる。オーギュスト、生き返れ！」

命じられたって困るよなｗｗｗとカオが笑いに歪みかけた途端、残死体から光が迸り光輝く純白の羽根が降り注いだ。

（ビコーン！神聖蘇生魔法リザレクションを獲得しました）

ファミコン音がしたが、それどころじゃないわい。

死体がフワッて持ち上がり下あごしか無かった頭が光で編まれるように再生してゆきあっつーまにもとのイケメン顔（重複？）に戻っちまった。

え～～～？ウソ～～～～～ん・・・

「おお・・・神よ」

「そんな・・・」

なんか一気に世の中が嘘くさくなってしまった。

女二人は絶望を帳消しにされたせいでどんなにウソ臭くても信仰心絶賛爆上中みたいだが、なんつーの？死の価値が・・・

「・・・私は、一体？」

甦ったオーガスだかアウグスタスだかは呑気に転生者お決まりのウソムーブ「ボク、記憶無くなっちゃったｗｗｗ」ぽいセリフを吐いてる。

「天使が・・・シーヴェル様が生き返らせてくれたのです」

パズル女が血塗れの手で全米泣きしながらオギュたそに縋りつく。

「デジレ！負傷したのか？！」

オギュがディジたその汚い手を掴みあげ、矯めつ眇めつ見分する。

おー、愛だな。ワシなら血にまみれた手で縋りつかれそうなところでシゲルキックじゃよほんと。

なんだこの思考・・・・・パイエティ意味ね―じゃんね。