リカバリーヌ
再びいい加減に整地された土の上で若者らと向かい合っている。
フフフ・・・今どきの若者にゃあ流行らんだろがワシゃあテーブルトークRPGとかで女キャラつかっとったんじゃよw女のフリなんて軽い軽いの屁のカッパよ!
先ずはつま先立ちでヒザをゆるく落とし内股、上半身は軽く脇を閉めて胸の前で手首を返す。
カラテや骨法(ちがう)でいう
スキーでいうボーゲンじゃ。
内股なのとアゴの下で外に返した手首から、マンガなどの虚構世界の女の子が「キャイーン☆」とか言いいそうなポーズっぽくてワシ的には好きくないのじゃが女やるためにゃあ贅沢いっとれん。
「あなた方・・・どうですのことよわ?」
どーよこのなよやかで色気ある女言葉。
次はうっふーん☆でもカマしてやるか。
「シヴィル様!神力を得られたのですね!」
は?
イケメン男の不可解な喜色。
「わしゃあシヴェル・・・んん??スィゲエ・・・ッギュエール・ゥサヴァーヤじゃよ」
ナマエが発音できんぞ、なんじゃコレ??
「オーギュスト様、この者おそらく別人です。この構え・・・恐らくは格闘術。シヴィーはこのような体術は習得しておりませぬゆえ」
「なんじゃ、よくわかるのう。ワシなんてバカ笑いしながら”んじゃそりゃ(なんだその構えは)wキャイーンて言ってみろよwww”て煽りまくって即病院送りにされたわ」
側頭を撃つイメージで左右交互に蹴りを素振る。
突然、二の脚を戻した当りで爆竹のような炸裂音が二連続で鳴り響き、ビビっる。
「なんじゃ!銃撃か?!?!」
日本人故の悲しさか、ひゃっ!と飛び上がった後はぼっ立ちしたままキョロキョロと周囲を確認してしまう。
「無手で空を裂くか!」
「まて、私の斬撃が金床に打ち下ろした如くにとどめられたことといい、神鉄の聖剣の刃を飴がごとく曲げせしめたことといい、この者、神力を得たシヴィル様に間違いはあるまい」
「・・・なれば、なんと痛ましきことでしょう」
なにやらわけわからんハナシで盛り上がってる。
「わしゃシッゲールじゃよ。シビルでもシルヴィアでもシューベルトでもないわい!誰かと間違っとらんか?」
お、ちょっと言えるようになってきた。
「お召の聖衣、スオラ女神を奉じる聖女のものです。盗み奪ったのでなければこの国に蔓延る死病を祓うため、神力を請いその身を捧げたシヴィル様に間違いありません」
「いや、わしゃあ異世界転生プレゼンツとかでこの世に・・・ん?」
・・・え?女の子の体乗っ取っちゃったのワシ??
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます