第3話 重箱式巣箱作り
//SE 引き戸式の玄関を開ける音
//SE 草を踏み歩く音
「よしっ、じゃあ早速これを着て!!」
「え? 何かって? 防護服だよぉ、ぼ・う・ご・ふ・く♪ 刺されたくないっしょ?」
「そうそう。刺されても死ぬことはないだろうけどやっぱり痛いからね。あたしは何回か刺されてるけど」
「え? じゃあやっぱり危ないんじゃないかって? だ、大丈夫だよ!! 基本的にニホンミツバチさんは大人しいんだから……あ、あたしがニホンミツバチさん達を驚かしちゃったんだね、きっと。うんうん……きっとそうだな」
「な……何? その目は。い、いいからほらっ!! 着て着て」
//SE 防護服を着る音
//SE 草を踏み歩く音
「これはニホンミツバチさんのお家になる巣箱だ。この巣箱のおかげでニホンミツバチさんたちはお外で頑張って働いて採ってきた花の蜜や花粉から安全に蜂蜜を作ることが出来るんだ」
//SE ニホンミツバチの羽音
「名前は
「え? 知らないって? ……もうっ、こんなの一般常識だぞ? 社会人なら一般常識は知っておかないとな!」
「そうそう。おせち料理なんかを入れる重箱の形だね!! ニホンミツバチさんはこの中で巣を作っていきます。じゃあ向こうでこの巣箱を作るから行こっか」
//SE 草を踏み歩く音
「よしっ。さっ、こっちはニホンミツバチさんはほとんどいないから防護服は脱いで大丈夫だぞ?」
//SE 防護服を脱ぐ音
「じゃあこの木材を使って巣箱を作るから見てて」
//SE 電動のこぎりの音
//SE 木を合わせる音
「………………」 /真剣な表情
「……ちょっとこっちの方が長いか。もうちょっとこっちの木を切ってと……。え? 何、やってみたいって? う~~ん。じゃあ危なくないようにお姉さんが後ろから抑えてあげる」
「そう、そこ。のこぎりの歯をゆっくり当てて? はい、じゃあ切って」
//SE 電動のこぎりの音
「…………ちょっと曲がっちゃったね」
「ま、まぁ初めてだし……だ、大丈夫だよ!! 木はいっぱいあるから。あとはあたしに任せて見学してて」
//SE 電動のこぎりの音
//SE 電動ドライバー音
「この
「………………」 /真剣な表情
//SE 定規を当てて計測する音
「え? だめだめ7mmにしないと。7mm以上だとニホンミツバチさんの天敵が巣に侵入しちゃうんだって」
「……よし、じゃあ切るよ?」
//SE 電動のこぎりの音
「ふぅ。さてっ! ……どうかな?」
「………………」 /真剣な表情
//SE 定規を当てて計測する音
「よし! 大丈夫、ちゃんと7mmだ。え? 天敵ってなにって? もう~~、本当に蜂のこと知らないんだなぁ……。ニホンミツバチさんの天敵って言うのは他の蜂だよ。キイロスズメバチとかオオスズメバチとかね」
「なんでって、ニホンミツバチさんを食べるからだよ」
「そう。ニホンミツバチさんを食べたり幼虫をさらっていったりするんだよ。だからそいつらはあたし達養蜂家にとっても敵なんだ。しかも狂暴だし、刺されると痛いんだぞ? 死んじゃったりもするんだから」
「そうそう。そんな狂暴蜂に比べたらあたしのところにいるニホンミツバチさんは可愛いもんだよ。さっ、今日の作業はこんなもんかな。で、これからキミはどうするの? お家に帰る? ていうかキミどうやってここまで来たの?」
「はぇ!? あ、歩いて来たの!? ここからだと車でも1時間くらいかかるぞ!?」
「……ふんふん。そっか、明日もお休みなんだね。それにしても無茶するね。今からだともう暗くなっちゃうじゃない」
「何とかなるって……楽観的だね。……なら今日は家に泊っていきなよ。明日はお休みなんでしょ?」
「うん、良いよ。どうせあたし1人しか住んでないし。部屋はいっぱいあるしさ。キミもニホンミツバチさんの話をもっと聞きたいだろ?」
「うん? そうでもないのか? まぁこれから好きになればいいさ。だから今日はあたしの家でニホンミツバチさんの話で盛り上がろうじゃあないかぁ!! さっ、じゃあお家に戻ろう♪」
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