夏の養蜂場
第6話 養蜂場の夏は暑いよ
//BGM ミンミンゼミの鳴き声
//SE 自転車の止まる音
「あっ!!」
//SE 走って来る音
「いらっしゃい!! 今日も自転車で来たの? 暑かったでしょ? もうっ、言ってくれればあたしが軽トラで迎えに行くのに。何のために連絡先教えたのよ?」
「え? 休みの日くらい運動しないとって? まぁ、元気ならいいけどさ。お姉さんキミが倒れちゃったら困っちゃうんだからな。これからもっと暑くなるんだから来週はお姉さん絶対に軽トラで迎えに行くからな? あとで住所教えてね?」
「だ~~めっ。今週は住んでる場所教えてもらうまでお姉さん帰さないぞ。ふふっ♪ じゃあ今日も作業しよっか♪ って言いたいとこだが……すごい汗だよ。大丈夫か? ほ、ほらっ!! これ飲んで」
//SE 水分補給する音
「まずはちょっと家の中で休んでから作業をしよっか♪」
♦ ♦ ♦
「いやぁ、にしても今日も暑いなぁ。こう毎日暑いと仕事も大変なんじゃないか?」
「ははっ、そうか。室内の仕事なんだもんね。でも室内だからって油断したらダメだぞ? ちゃんとこまめに水分補給しなくちゃね」
「ふふっ、今日も暑いしニホンミツバチさん達の巣箱を見回りしたら家でゆっくりしよっか?」
「ん? 防護服のままで暑くないのかって? ああ、あたしはあんまり汗はかかない体質なんだ。……まぁ、その分手の平と足の裏の汗は物凄い……って!! 何言わせるんだ!」
♦ ♦ ♦
「……よし。今日も異常なし!! じゃ、家でゆっくりと……ん? あれは」
//SE 軽トラの止まる音
//SE 軽トラの扉を開けて閉める音
「おっ、じいちゃんだ。お~~い、じいちゃ~~ん!!」
//SE ゆっくりと草を踏み歩く音
「じいちゃん、何か用?」
「え、あ。野菜を持ってきてくれたんだ。いつもありがとうね、じいちゃん」
「ん、何? ああ、そっか。じいちゃんに会うのは初めてだったな。この人は前から言ってたあたしの家の隣に住んでるじいちゃんだ。まぁ、隣って言っても結構距離はあるけどね。ん? 何、じいちゃん」
「む、婿って……そ、そんなんじゃないって!! こ、この人は4月からこの街に引っ越してきた子だよ。新入社員で転勤してきたんだって! 休日にあたしの養蜂場の仕事を手伝ってもらってんの!!」
「と……年だって結構離れてるし。年下だし……そ、そんな関係じゃないからな!?」
「そっ、だからそんなんじゃないんだって。……そ、そんながっかりしないでよ。若い子がこの街に来てくれたってだけでもいいじゃないか。ねっ?」
「うんうん♪ この子が来てくれてあたし楽しいよ? やっぱ男の子がいると何かと力仕事も手伝ってくれるしね。筋肉もこの数か月の間に結構ついたんだよ? ねっ?」 /後ろから両腕を持ち上げて触る
「ははっ、そうだね。じいちゃんの畑も手伝ってくれるかもね」
「ねっ! そうだよね?」 /顔を耳元に近づけて尋ねる
//SE ゆっくりと草を踏み歩く音
//SE 扉を開けて閉める音
//SE 軽トラの走り出す音
「じいちゃんありがとうね~~!!」
「…………ふぅ、まったく。まさかキミのことをあたしの婿と勘違いするなんてね。ごめんね、田舎の人ってそういう話好きなんだよ。特にじいちゃんはあたしを自分の娘みたいに思ってるみたいで結構心配してるみたいでさ。こんな田舎で1人でいて婿はどうすっだ?って顔を見る度言うんだよ。まぁ、じいちゃんのさっきの言葉は気にしないでね」
「えっ、う、嬉しいって……な、何言ってんの!! もう、こんな年上のアラサーをからかうな!! お姉さん本気にしちゃうかもしれないからな!!」
「まったく。さっ、今日の作業も終わったし家でゆっくり休憩しよう♪」
♦ ♦ ♦
//SE 引き戸式の玄関を開ける音
//SE 引き戸式の玄関を閉める音
「ふぅ、防護服の下は薄着でもやっぱり夏は暑いなぁ……」
//SE 防護服を脱ぐ音
「ん? どうした? 何見て……んあっ!?」
「あ、あわわっ。こ、これは。い、いつも作業の後は1人だったからついいつもの癖で……。さ、流石に下着なしでタンクトップはまずかったな。すまない、見たくもないものを見せて……」
「……………………」 /顔を赤らめてうつむいて気まずそうな表情で
//SE バイクの爆音
「んっ、こ、今度は何だ!? と、とりあえず着替えてくるからちょっとここで待ってて!!」
//SE 靴を脱いで廊下を走っていく音
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