第20話 解呪
解呪の魔導書を探すが見つからない。
女王陛下に聞くと解呪の魔導書はこの国にはないらしい。陛下に事情を話すと、すぐに各国に伝達がいく、解呪の魔導書を探せと。
「ありがとうございます」
「いや、この世界の為だ、私達は呪いを甘んじて受けていたに過ぎない。ケントがその日記のようなものを見つけてくれなかったらと思うとゾッとする」
陛下は気分が悪いのか部屋に帰ってしまった。
もし、僕が呪いのスキルを持っていたとしてこの国に無碍にされ、侮辱されていたら使うかもしれないと思った。だが、この世界丸ごと呪うなんてことはしないだろう。
僕にはこの人がどれほどのことをされたのかわからないが本当にこの世界を滅ぼそうと思ったのだろうか?
僕にはわからないが少なくともこの人はそれだけのことをされたのだろう。
「解呪の本ありました!」
シアが探して来てくれた。
パラパラとめくり解呪のスキルを獲得したが、呪いは解けない。
呪いの種類は千差万別で僕の魔力も足りない。解呪の魔導書を探すと同時に僕のレベルもあげていかねばならなきようだ。
解呪の魔導書は陛下に任せた。
僕はフレイヤ達とともにレベルあげに専念する。レベルを上げればきっと、
「せい!や!」
ギルドでの依頼をこなす日々はおもったより性に合ってるようだ。
これも剣術なんかのスキルを獲得できたからだろうけど。
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忠野 健人
二十一歳
レベル72
力 A
体 B
知 A
速 B
魔 A
スキル 速読 鑑定 六大魔法(火水風土雷氷)身体強化 回復魔法 探知魔法 認識魔法 空間魔法 重力魔法 時魔法 空間転移 古代魔法 剣術 槍術 盾術 弓術 体術 古代文字 料理(中級)解呪(初級)
ユニーク 異世界言語 アイテムボックス
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解呪が本当のスキルになればこの酷い世界から呪いを消し去る事ができる。
王国中の呪いの魔導書に解呪の魔導書が集まった。全部で百冊は超えているが同じものもあるとの事。
城の一室を借りて読んでいく。
流石に多くて一週間はかかったが、全部読破した。が、解呪は中級止まりでまだ解呪が出来ない。
「…帝国に呪いの研究機関があるのじゃ」
シエスタが言いにくそうに言葉にする。
「本当!じゃあそこに行こう!」
「でも危険なのじゃ!あそこは危ないと噂じゃから」
「でも行かないと行けないんだ。今後生まれてくる子ども達の為にも」
まだ5対1だけど未来はそれよりはるかに女の数が圧倒するだろう。
「帝国に行こう!」
「陛下に報告して来ます」
ソラさんが走って行く。
「解呪の魔導書ならまだまってみてもいいのじゃないか?」
「早い方がいいんだ、これから生まれてくる子供達のために」
僕は正義の味方じゃないけど、出来ることならそうありたい。
「わかったのじゃ、妾も覚悟を決めるのじゃ」
「陛下からこちらに来いとの連絡です」
「やっぱりか」
行くしかないか。
「シエスタも行こう」
「はいなのじゃ」
「帝国にいくとな?」
「呪いの研究機関があるらしいのです」
「それはいま帝国が捜索しておる。待つのじゃ」
捜索しているのか、
「場所は特定しているんじゃないですか?」
「あちらも危ない橋を渡っておるのじゃ、急がせることはできない」
「僕なら」
「ケントならいけると思うておるのか?それは帝国、そして妾を馬鹿にしておる」
「そ、そんなことは」
「ある。自分ならと言うならなぜ妾を頼った?時間がないでは済まさんぞ!」
陛下を怒らせてしまった。
「す、すいません」
「帝国も他の国もいま躍起になって解呪の魔導書やそれに類するものを探しておる。ケントは待つのじゃ」
「はい!」
「わかればよろしい」
陛下に諭されるとは思わなかった。でもそうだよな、みんなが頑張って探してくれているんだもんな。
「待ちます。そして必ずこの呪いを解こうと思います」
「それでよい、焦らずとも結果は出るじゃろうて」
僕は自分を高く見積もり過ぎていた様だ。みんながいないと何もできないんだから頼らなければ。
「シア。また解読不能の本を探しておいてもらえるかな?」
「はい、わかりました」
「フレイヤ達もまたレベルあげを手伝ってね」
「おう!まかせて」
「お安いご用よ」
「シエスタは情報があればまた教えて」
「わかったのじゃ」
いまできることをしていかないとな。
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