第16話 レベル


 次の日も朝から鍛冶屋に行き、エアコンの本体を受け取る。

 ちょっと高いくらいで売れば元手がそんなにかかってないから大儲けだ。

 部屋に取り付けたエアコンは好評で夏になったら出て来ないんじゃないかと不安になるな。


 昨日考えた図案を鍛冶屋に作ってもらう。

まぁ、また似た様な商品だがドライヤーを作ろうと思っている。フレイヤ達が髪を乾かすのに時間がかかっているからだ。

「これもうちにもおろしてくれよな」

 鍛冶屋の女将も長い髪だから大変そうだもんな。

「わかったよ!出来たら持ってくる」

 明日になるが、これができたらサラサラの髪になるだろう。

 ってなるとシャンプーとコンディショナーか、錬金術でなんとかならないかな?

 道具屋に行き、元のシャンプーやコンディショナーを買ってから色々試して見る。

「なんだ、これならドライヤーで乾かせば見違えるだろ」

 普通にシャンプーもコンディショナーも元の世界と変わらない。乾かすための道具がないだけだった。


 さてと、エアコンも作り終わってまた昨日の様に売りに回る。飛ぶ様に売れて在庫は無くなった。

 エアコンの作り方も簡単だから真似されるのも時間の問題だろう。けど、僕以外が作れればそれで良い。

 

 僕しか作れない道具は作ると後がめんどくさいからな。


 さて、僕は僕でやる事がある。レベルを上げて作れるものや守れる物を増やす事だ。

 今日はフレイヤ達はもう出かけていないから明日になるけど、もう少しレベルは上げておきたい。


「はぁ、図書館にでも行こうかな?」

「はい、図書館ですね」

 ソラさんも僕なんかに付き合って楽しいんだろうか?

「ソラさんは楽しくないでしょ?」

「そうですか?仕事なんで考えたこともないですが」

 あ、そうか、これが仕事なんだった。

「なら図書館に行きましょう」

「はい」


 王立図書館にはシアが働いている。

「やぁ、シア」

「ケント、本を読みにきたのね、何を読むの?」

「指南書か魔導書かな?ほかにオススメはある?」

「んー、ケントの為になるのは…考えとくわ」

「わかったよ、ありがとう」

 シアと別れて、本を探す。

 光魔法と闇魔法の魔導書があったので、それを読むことにする。

 スキルになったのを確認し、また本を探す。

 「魔導のススメ」やら「初級魔法とは」なんかが多いのでスキルになりそうなのが見当たらない。


 図書館は諦めて街を散策する。

 古書店があったのでそこに入る。「古代文字」なんかよさそうなので購入、昼時もとっくに過ぎていたので屋敷に帰り弁当を食べながら古代文字を読む。一応スキルに古代文字が入った。


 次の日は朝からギルドに出向き、レベル上げに適した依頼を物色している。

「これなんかどうだ?ダンジョン」

「いや、ハゲワシの群れは」

「ダンジョンあるの?」

 ファンタジーならど定番。

「いや、ダンジョンと呼ばれてるだけでただの廃屋だ。モンスターはウジャウジャいるけどね」

「よし、ダンジョンに行ってみよう!」

「ほらバカミーシャ!いっちゃうじゃん」

「難易度もそこまで高くないし、私達がいれば大丈夫だって」


 元街だった場所がいまじゃダンジョンと呼ばれるほど寂れていてモンスターの棲家になってるらしい。

「よし!どっからでも来い!」

「あー、ケント」

「大声はまずいよ」

“ドドドドドドド”

 と走ってくる音がする。

「古代魔法ファイヤーウェーブ」

 ゴオッと言う音と共に走ってきていたモンスターが灰になる。

「すごっ」

「えっ」

「なーんだ、終わりか」

 それ以上モンスターが出てこないのでこれで終わりの様だ。

 魔石を拾い集めて討伐完了した。


「一瞬だったな」

「ケントは凄かった」

 レベルは少し上がって三十はいったから良しとしよう。


 それからも依頼をこなしていく、近場にある依頼がなくなった頃には僕のレベルもある程度上がっていた。


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 忠野 健人

 二十一歳 

 レベル42

 力 B

 体 C

 知 B

 速 C

 魔 B

 

 スキル 速読 鑑定 六大魔法(火水風土雷氷)身体強化 回復魔法 探知魔法 認識魔法 空間魔法 重力魔法 時魔法 空間転移 古代魔法 剣術 槍術 盾術 弓術 体術 古代文字


 ユニーク 異世界言語 アイテムボックス 

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 これだけあがれば一人前じゃないかな?

 スキルも増えたし、これで養われることはないだろ。

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