第15話 エアコン
次の日は僕のベットにはフレイヤがいる。こんどから交代制らしい。昨日、フレイヤはギルドの仕事をしてきたらしい。結構稼いでるようだ。
「なんか欲しい物はないの?」
「今のところあっても自分のお金で事足りてるよ」
「そう?遠慮しなくていいからね」
「わかったよ」
フレイヤは抱きしめると服を着て部屋から出て行く。
「さて、僕もやることやらないとな」
部屋の外に出ると美味しそうな香りが漂ってくる。
「あ、おはようケント、朝ごはん出来てるよ」
「おはようシア、ありがとう」
メイドと三人で作ったらしい。
メイドさんは二人、ユーリさんとシェリルさんだ。二人とも既婚者だ。
「おはよー、ケントにシアにフレイヤ」
ミーシャが起きてきた。目をこすりながら階段を降りる。
「「「「いただきます」」」」
ダイニングで朝食を取る。メイドさん達はあとで食べるらしい。
「美味いね」
「そうね、美味しいわ」
「みんなの分のお弁当も作ってあるので持って行って下さいね」
「えー、ありがとー」
シアが出来過ぎて困る件。メイドさんも手伝ってくれたらしいが、
「司書の仕事もあるからそんな無理しなくていいよ?」
「大丈夫!司書の仕事も順調ですしね」
シアは何事もなくご飯を食べている。
「そうか、ならいいけど、フレイヤ達は今日も?」
「そうだね、結構王都も仕事があるんだ」
「だね、王都の周りに森があるだろ?モンスターが結構いるんだよ」
そうなんだな。僕もそのうちレベル上げをしに行きたいな。
朝ごはんを食べ終えるとみんな行動して行く。
「行ってらっしゃい」
「「「いってきまーす」」」
三人とキスをして見送る。
僕はソラさん待ちだ。
「おはようございます、今日は鍛冶屋からですか?」
「おはようソラさん、そうだね」
少し待つとソラさんが入ってきて鍛冶屋に向かう。
「待ってたよ、これ場所とってしょうがないんだ」
「それはすいません」
アイテムボックスに収納して行く。
代金を払い、またお願いしますと言って店を出る。
屋敷に戻ると書斎でエアコン作りだ。
今度は温風もでるように火魔法も付与するしスイッチも切り替え式にした。試作品を待ってリビングでソラさんに見せる。
「こっちにすると温風が出ます」
「あぁ、凄いとしかいいようがないですね」
なかなか良好だ。
「じゃあ、これを作ってきますね」
書斎に戻り、十五台のエアコンにもう一台の冷風しかでないクーラーも温風が出る様に調整する。
ここで大工のスキルを使いエアコンを取り付けて行く。
自分達の部屋にリビング、ダイニングに取り付けた。
「す、凄いですよ。夏はこの部屋から出たくありませんね」
「そんなもんですね、まだ余ってるんで鍛冶屋に一つと陛下にも持っていきたいんですが」
「それは喜びます!すぐ行きましょう」
鍛冶屋のほうもエアコンをつけてやり、これで暑い中の仕事が捗ると喜んでいた。
「陛下にはあんな立派なお屋敷を与えてもらい」
「良い良い、良き友としてケントとはいたいからのぉ」
陛下には陛下の部屋と謁見の場、あとは見晴らしのいいお茶室に取り付けた。
「ケントは凄いのぉ、また新しく何か作ったら持ってくるが良い」
「はい!」
これから本格的な夏が来る、いまでもジメジメしているのでもうすぐだろう。
鍛冶屋に行ってこんどは二十台の箱型エアコンを注文する。
「わかったよ、これを売るんだね」
「そうなんですよ、レストランなんかでも重宝してくれると思いますし」
「また明日には作っておくから早めに取りに来てくれよ」
「はい、ではまた明日」
鍛冶屋をあとにした僕は魔道具屋に行ってみた。前アイデアをだしたが物になってるんだろうか?
「あ。ちゃんと小型化してある」
「お、あん時の!ありがとうな、これはいま売れに売れてて製造が追いつかないんだ」
「そうなんですね、良かったです」
「よかったら一台持って行ってくれ、アイデア料としては安いがな」
「本当ですか?ありがとうございます」
「あ、僕の発明品も一台置いて行きますよ」
エアコンを取り出して、どこにつけるかを聞く。
「おぉ!涼しい風が吹いてくるな!こりゃ仕事が捗る!ありがとな、俺はデクって言うんだ」
「僕はケントです」
「ケント、良きライバルとして頑張ろうな!」
「はい」
僕も頑張ろう。
「ソラさんもどこかに欲しいですか?」
「いえ、私はこのバックで十分ですよ」
前にあげたマジックバックだ。
軍の宿舎なんかはどうだろう?
「ケント様の作るものはもっと評価されるべきですのでそちらに回してください」
「あ、はい!」
「レストランなんかを教えてもらえますか?」
「はい!わかりました」
僕らはレストランなどを周り、エアコンを試してもらう。よければ買ってもらうことにした。
「いやぁ。すぐに残りが売れてしまいましたね」
「これから夏ですからねー、あのエアコンというのは絶対売れますよ」
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