第一章 ととさん、ミッション達成ならず!



「お兄様~!」


人ごみをかき分け、茶髪の青年に飛びつき、抱きしめた。


「メリル!なぜここに・・・?」

「えへへ、お兄様の後をついてきました」

「私の後を!?」


よほどついてくるのが上手だったのか、全然気が付いていなかったようですごく慌てている。


「ととさん」

「ん?」


息子が俺の服のすそを引く。


「デザートは?」

「・・・あ」


色々あって買うことを忘れていた俺は、踵を返し、慌てて買いに行くのであった。

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