第一章 いい気分が最悪だ
「・・・ん?」
二人で仲良く串焼きを頬張っていると、視線を感じた。
ねっとりとしていて、とても気持ち悪い視線だ。しかも、一つではない。
思わず眉間にしわが寄る。せっかくいい気分だったのに。
「・・・ととさん?」
「あ、ああ。なんだ?」
視線に意識が逸れていて、反応するのが遅れた。
「どうしたの?」
「ああ、いやなに。気にするな」
「そう?」
「串焼き食べ終わったか?なら、デザート買ってきてやるからここでじっとしてろよ」
「うん、わかった」
父親の無理やりな話題転換に何かを察したのか、さり気なく串焼きのおっちゃんの屋台の横を陣取る息子。
・・・察しの良い息子は父ちゃん好きだぜ!
きょろきょろと辺りを見渡し、「お、あれおいしそう」とイチゴアイスを売る屋台へと進んでいく。
すると、それに合わせるようにいやな視線も動いた。
・・・狙いは、俺か?
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます