恋の行方と戦争も

●アクアマリン王国王宮 エマリアの部屋

「エマリア様、そろそろ戦争も落ち着いてきましたね。」

「そうじゃな、ニーナ。戦争が落ち着いてくれてなによりじゃ。」

「そうですね。ところでエマリア様。トルマリン王国のリシュー様がエマリア様のことを宮殿に招待しておりまして・・・。明日、いかがかと。」

「そうじゃな。その日は空いておったし、行ってもいいじゃろう。」

「承知いたしました。リシュー様にお伝えしておきます。」

「ああ、よろしく頼むぞ。ではニーナ。お主は下がって良い。」

「はい、失礼致します。」

●トルマリン王国王宮 リシューの部屋

「お待ちしていました、エマリアさん。」

「今日は呼んでくれて光栄じゃ。ところで、今日は何のようで?」

「いえ、少しお茶でもしないかと。こちらへどうぞ。」

●トルマリン王国王宮 お茶会スペース

「こんな豪華な菓子まで・・・。美味しそうじゃな!」

「ありがとうございます。ところで、戦争、落ち着いてきましたね。」

「そうじゃな、わらわも嬉しい限りじゃ。」

「そうだ、エマリアさん。トルマリン首都ブルートルマリンに大きな中央図書館ができたんですよ。行ってみませんか?」

「奇遇じゃ、わらわも少し気になる本があって探してみたいのじゃ。」

「きっと図書館にありますよ、いきましょう。」

●トルマリン王国 中央図書館

「おお!大きな場所じゃな!」

「では中に入りましょうか。」

___

「わらわが探していた本があってよかった。」

「なんの本ですか?」

「秘密じゃ〜!」

「どれどれ?『ドキドキ!乙女の星座占い!』?」

「見るなといったじゃろー!」

「すいませんすいません。エマリアさんが恋をしているなんて初めて知りましたよ。きっとどこかの王国のイケメンの王子なんでしょうね!」

「そうじゃなそうじゃな!この話は終わり!さて、わらわはこの本を・・・。」

パンッ(手と手が当たった)

「あ・・・、すまない。」

「僕こそ・・・。すみません。」

「・・・」

「・・・」

「あ、あっちで本を読むとするか!」

「そうですね!」

___

(さっきの行動はわらわもドキドキしたが・・・。わらわは恋しているのか?

いや、恋などしていない、恋など・・・。う〜!やっぱりわかんない、ニーナに相談してみよう)

(さっきみたいなこと初めてなってしまった・・・。なんかドキドキするが、これは恋なのか?

いや、恋じゃない・・・。いや、どっちなんだ!?)

「エマリア様。そろそろお帰りの時間です。」

「ああ、ニーナ。もうそんな時間だったか。ではリシュー殿。わらわはここで失礼するぞ。」

「はい。またいらしてください。」

●アクアマリン王国王宮 エマリアの部屋

「ニーナ、聞いてくれ。」

「なんですか?エマリア様。」

「わらわは、恋をしているのかもしれない。」

「エマリア様が恋〜!?」

「そうじゃ。」

「ゴホン。ご相手はどちら様で?」

「リシュー殿じゃ。」

「えー!?!?」

「そこまで驚くことか?」

「申し訳ございません。で、エマリア様は私にどのようなことを相談なさりたいのですか?」

「リシュー殿との距離の縮め方を教えて欲しいんじゃ。」

「あ、それなら、もうエマリア様とリシュー様の結婚は国同士で決まっておりますので、

お互い好きではなくても結婚することになっております。」

「え〜!?!?」

「お聞きではなかったのですか?」

「初耳じゃ。とりあえず、今度行われる舞踏会にリシュー殿を招待したいのじゃが

手配を行って来れ。」

「承知いたしました。」

「絶対にリシュー殿をわらわのことを好きにさせる!」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

ある女王と王子の話 mia @Miamai

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る