バチバチ女王会談
●アクリマリン王国王宮 エマリアの部屋
コンコンコン
「失礼します。」
「おお、ニーナではないか。どうしたのじゃ?」
「ルビー王国のリリイ様から今からそちらに向かうと連絡がありまして・・・。」
「どういうことじゃ?」
「エマリア様とお話がしたいとのことで・・・。」
「うむ・・・、うまく状況が飲み込めんが、まあいい。今すぐシェフに紅茶と菓子を準備させるのじゃ。」
「承知いたしました。では失礼します。」
「うむ、下がって良いぞ。」
___数時間後
「エマリアさんかしら?」
「おお、リリイ殿か。待っていたぞ。今日はお話があると聞いたが、どうしたのじゃ?」
「エマリアさん、単刀直入にいうわ。あなたは私の三つ子の妹なのでしょ?」
「な、なんのことじゃ?」
「私、前から思っていたのよ。エマリアさん、私と顔も、性格も似てるじゃない。でも、ルビー王国での決まりで王族の女は名前の最後に「イ」をつける決まりだったけどあなたには最後に「イ」がついていない。私はそのことでスルーしていたけど。エマリアさん、それは本当?」
「・・・。」
「エマリアさん!」
「わらわは、私は、もともとはナリイという名前だった。リリイ殿の言う通り、私はあなたの3つ子の妹だった。」
「あなたが、私の妹で間違い無いのね・・・?」
「うん、私があなたの妹。なぜわかったの?みんなには頑なに秘密にしていたのに。」
「毛髪のDNA鑑定をしてもらったのよ。そしたらあなたとは血縁関係があったの。ほんっとに迷惑。なんでエマリアさんと私が・・・。」
「はぁ。だから言いたくなかったのに。」
「私と血が繋がっているんだから、しっかりしてちょうだい。私の恥・・・。」
「黙れ。」
「は?」
「今まで思っていたけど、ほんとにあなたとお母様って人は性根が腐っているわよね。なんでお母様はルビー王国王と結婚して、あんたは女王になったんだか。こんなの親の七光りじゃない。」
「はあ?こんなのお母様に言いつけて・・・。」
「お母様に言いつける?そんなこと、別にされても構わないわ。まず、お母様と私は立場ってものが違う。もし私に怒鳴ろうとするなら、アクアマリン王国が黙っていないけどね。」
「生意気なこと言ってんじゃないわよ。まず、この戦争には勝たせてもらうから。エマリア、いや、ナリイ。あんたは王族の落ちこぼれ。身の程をわきまえてからいってちょうだい。」
「あら、アクアマリン、キャッツアイ、トルマリン、アメジストの戦力を舐めてもらっちゃ困るわよ。そちらより断然勝ってますから。」
「こちらこそ、戦争ではあまり負けたことがないのよ。」
「なら、姉妹勝負ね、リリイ。私はあなたに絶対勝つ。」
「ええ、受けて立つわ、エマリア。」
「ゴホン。おお、リリイ殿。外にルビーの使いが来ておるぞ。そろそろ帰る時間じゃないのか?」
「あら、そうね。そろそろ帰らせてもらうわ。今日は楽しかったわ、ありがとう。」
「わらわも楽しかったぞ。またくるが良い。」
こうして、バチバチの女王会談は幕を閉じた。
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