戦争の始まり

●アクアマリン王国 サキュージ市

「ちょっと、エマリア様!どこへ行くおつもりですか!お散歩に行くのではないのですか!」

「まあまあ、良いであろう。わらわは思いついたのじゃ!キャッツアイとルビーを比べてみると、キャッツアイの方が仲が良いであろう?だからな、わらわはキャッツアイに味方するのじゃ!」

「で、ですがエマリア様!いくら親衛隊長と副隊長がいるとはいえ、エマリア様自ら戦場で指揮を取られるのは非常に危ないかと・・・。」

「なんじゃ?このわらわに文句でもあるのか?」

「い、いや・・・。」

「では、メイド長ニーナとアクアマリン兵隊長ヨシーに出陣の準備をさせるのじゃ!」

「はい、承知いたしました。エマリア様、ここはルビー王国に近い地域。もしかしたらエマリア様も狙われてしまうかもしれませんので、決して私たちから離れないでくださいね。」

「うむ、承知した。」

「お前たちもルビーに攻め込むというのか・・・?」

「誰だ!?お前は。」

「そう構えるでない・・・。奥にいるお主は・・・。アクアマリン王国女王のエマリア・イバー・リリシュか・・・。俺は、アメジスト王国の兵隊長、エッジ・ワールス・・・。アメジストの最強剣士だ・・・。お主たちもルビーに攻め込むのなら、俺も協力しよう・・・。」

「あんたは、エッジか!?」

「親衛隊長。エッジ、と申したか?エッジはどのような人なのじゃ。」

「あのですね、エッジ・ワールスはアメジストの地獄と言われた戦争で、およそ10万の敵の兵を殺したと言われる、アメジストで最強の剣士なんです・・・!おそらく、ルビー王国の3剣士2人相当の強さでしょうね。エマリア様、どうします?協力してもらいます?」

「そうじゃな、エッジ・ワールス。お主が素晴らしい剣の才があることは十分に理解した。わらわと共にルビーに攻め込もうではないか。ただし!給料などは少ししか払えんぞ。お主から持ちかけたことなんじゃからな。」

「承知した・・・。では俺は何をすれば良い・・・?」

「そうだな、お前はエマリア様の近くにいろ。何かあった時は素早く助けるのだぞ。」

「わかった・・・。ではエマリア殿・・・。お主はどこにゆきたいのだ・・・。」

「わらわはルビーの戦場に行って兵の指揮をとりたいのじゃ!」

「承知した・・・。では親衛隊長。お主は宮殿に戻り、出陣する兵と共にこちらへ向かえ・・・。副隊長と俺、エマリア殿でルビーへ向かう・・・。」

「わかった。ではまかせるぞ。」

「うむ・・・。」

(さっきから俺たちのそばにいるスパイがいるな・・・。だれだ・・・?きっとルビーの3剣士だろう・・・。)

●ルビー王国王宮 リリイの部屋

「なんですって!?あのアメジストのエッジが私たちの国に攻め込むアクアマリンに協力!?それは本当なのね、ユウイ。」

「もちろんです。僕は3剣士。あなたさまに嘘などつくものですか。」

「アクアマリンの女王のやつ・・・。なんてことしてくれたのかしら。こうなったらトルマリンを味方につけるしか・・・。いや、トルマリンの王子は大の戦争嫌い。あの王子にも戦争が始まった理由はキャッツアイの王に婚約破棄されたからっていう情報は流れているはず、ならいっそのこと協力しないわね・・・。それならまだ出陣していないエメラルドガーネット大国地域の国といえば・・・。」

「ダイヤモンド王国とアレキサンドリア国、サファイヤ地域統一国、アメジスト国の4つですね。」

「ええ。だけど、アメジストはエッジが動いているからだめね。なら残る国は3つ。ユウイ、ダイヤモンド、サファイヤ、アレキサンドリアに応援要請をしておくように大臣に言っておいて。あなたならできるわよね?3剣士のユウイ。」

「承知いたしました、リリイ様。」

●ルビー王国 首都パール

「ここか?親衛隊長が言ってた集合場所とは。」

「って、アクアマリン兵じゃないか!キャッツアイに協力してくれるのだな。」

「キャッツアイ兵も来たのか!今から何が始まるのだろうか。」

「よく集まってくれた。アクアマリン、キャッツアイの兵のお主ら。」

「この声は・・・。」

「「「「「「エマリア様!?」」」」」」

「まあまあ、大丈夫じゃ。この戦争、なかなか面白い。アクアマリンとキャッツアイの兵の指揮は直々にわらわがやるぞ。みな、準備はいいか?」

「「「「「「おー!!!!!!!!!」」」」」

「わらわはアクアマリン女王、エマリア・イバー・リリシュじゃ!この戦争、必ずルビーに勝とうぞ!!!!!!!!!!!!!」

「「「「「「「おー!!!!!!!!!」」」」」」」

「なら、僕も手伝おうじゃないか、エマリア殿。」

「お主は・・・トルマリン王子のリシューどのじゃないか!わらわたちに協力してくれるのじゃな!」

「ああ、ほんとは戦争なんて嫌いなんだけどね。でもルビーの女王の言い分にはびっくりしたさ。それなら僕も手伝いたくて。」

「リシュー殿は本当にわかっておる!では改めて、キャッツアイ、アクアマリン、トルマリンの兵たちよ、勝つぞ!!!」

「「「おー!!」」

こうして、エメラルドガーネット大国地域全土を巻き込む大戦争が始まった。

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