第6話 第1話以降を読ませるために

 作者フォロワーが多い人は、第1話が投稿されたら読みに来る人がいるし、仲が良ければ作品フォローも★レビューもしてくれます。だから第1話だけ投稿されても評価されやすいのです。

 しかし作者フォロワーが少ない人だと、第1話を読んでもらうのが殊のほか難しい。

 どうすればよいのでしょうか。





なぜ第1話が読まれないのか

 リードで書きましたが、作者フォロワーが多いほど、第1話でのスタートダッシュが利きます。

 たとえば作者フォロワーが100人いれば、そのうち仲良しの方が30人いたと仮定すれば、第一話のPVは潜在的に30は確保できますし、仲が良ければ★レビューを書いてくれる可能性も高いので、さらに多くの読み手を呼んでくれます。


 しかし作者フォロワーが0人であれば、いくら新作の第1話を投稿してもPVは0のままです。

 これでは検索だけを頼りにする以外、手段がありません。

 ですが、検索からふらっとやってきて、★が付いていない作品を読んで、作品フォローや★を入れてくれるものでしょうか。

 どんな実力かわからない見知らぬ書き手の作品ですよ。

 そんな人の作品をフォローしたり★レビューを入れたりするなんてことができたら、書き手はかなりの実力者です。おそらくトントン拍子で作者フォロワーを増やしていき、やがて大手に成り上がれます。

 しかしそれほどの実力がなかったら。

 PVが増えても作品フォローや★レビューは期待できないので、どうしてもジリ貧になります。


 この状況は、戦略を間違えているからかもしれませんよ。





冒頭エピソードを一気に投稿する

 検索からやってくる人の多くは、第1話だけを読んで良し悪しを計らなければなりません。

 たったの1話数千字で継続して読んでくれるか、しばらく様子見してくれるか、完全に見切るかするのです。


 どうすれば第1話だけで見切られないようにするか。


 その答えが、

 「冒頭エピソードを一気に投稿する」

 です。


 そうすれば第1話で面白くない人はそのままブラウザバックしますが、様子見してくれる方はそのまま続きを読んで、継続するか見限るかを決められるのです。

 様子見するというのは「積極的に読みたいとも思わないが、かといって無視するのもどうなんだろう」という中途半端な状態です。

 そして作品フォローをしていないので、新着の通知アラームが鳴らないため、結局第1話だけを読んで第2話以降が読まれない原因を作ってしまいます。


 PVを確保したいのであれば、この「様子見」する人をいかに継続するか見切るか決めさせることにあります。

 そのためには、「読みたいときに第2話がある」状態にするのが最もお手軽にできて効果が高いのです。

 だって「読み続けようか見切ろうか」と考えているときに、第2話がすでに投稿されていたら、そちらも読んでから判断できますよね。


 しかしこの「第2話戦略」も万能ではありません。

 それは「第2話までで面白いと言わせられるか」にかかっているからです。

 できる人はすでに多くの作者フォロワーを抱えています。

 できないからPVが少ないんですよね。


 であればどうすればよいのか。

 「面白い」と言わせるところまで一挙に公開するのです。


 多くの場合、章単位でひとつのエピソードを書いていますから、第1章を一挙に公開すれば、エピソードをまるまる読めて、面白いと感じたらフォローするのに躊躇がありません。

 「第1章」と言っていますが、冒頭エピソードが終わるところまででいいので、もし4話で冒頭のエピソードを書いていて、第1章を10話で構成していたとします。

 この場合は冒頭エピソードである4話を一挙公開すればよいのです。





冒頭エピソードは一挙投稿

 第1話でつまらなければ見切られます。

 第1話で面白そうなら作品フォローが入って継続的なPV増加を期待できます。

 第1話で心を鷲掴みしたら、★レビューと★コメントという強力な援護が期待できます。


 しかし、見切るほど凡作とも思えないけど、フォローするほど面白くもない、という段階にある場合。

 読み手は続きが読めるなら先を読みたくなります。

 そのために第2話を一挙に投稿しておくのです。


 でも、第2話で面白いかどうかがわかるのもある種の才能が必要なのです。

 凡人がとりうる戦術は「冒頭エピソードは一挙投稿」です。

 多く「第1章でひとつのエピソードを書いてある」ものですから、冒頭では「第1章を一挙公開」と書きました。

 保険をかけたいなら、次のエピソードの第1話まで投稿すればよいでしょう。

 「これから面白くなりますよ」と知らせてあげるのがフォローを増やす手助けになります。





呼び戻すより取りこぼさない

 第2話以降のPVを増やすコツとは、詰まるところ「継続するか見切るか」を読み手に決断させるところにあります。

 多くの人は「見切られるのは嫌だ」と思い、なんとか引き止めようとします。

 しかしそれは八方美人となり、肝心の「面白いから継続」と思っていた方々を手放してしまいかねないのです。


 「面白い」と思った人が継続して読んでくれるように取り計らう。

 「見切った」人を呼び戻そうとしないこと。あなたの物語が合わない人はどうしても存在します。


 ハードボイルドな小説を書いていて、第2話のPVが低いからと、そこからコメディに切り替えてしまったら、今度はハードボイルド好きが見放します。そしてコメディを欲していた読み手も中途半端にしか手に入りません。なにせ第1話はハードボイルドなのですから。

 ハードボイルドで始めたのなら、ハードボイルドに徹するべきです。

 そうすればハードボイルド好きは継続して読みますからね。

 「でも、ハードボイルドよりもコメディのほうが読み手が多いし」と思うのであれば、最初からコメディを書けばよいのです。PVの反応を見て切り替えても悪あがきでしかありません。

 「読み続けよう」と思っている人をいかに取りこぼさないか。

 それを考えてみましょう。





最後に

 第1話PVの何割あれば第2話PVが適正なのかはジャンルと書き手によって異なります。

 これから「面白くなるぞ」と思わせれば第2話PVも高まりますが、第1話PVを超えることはまずありません。

 一挙投稿しているときだけ、第1話 PVよりも最新話のPVが高いという現象は発生しえます。

 それは最新話を読んで面白そうなら「第1話から読み始めるか」と考えるタイムパフォーマンスを考慮した読み方をする人が一定数いるからです。


 ですが、それを恐れてはなりません。そもそも書店で小説を買おうとするとき、まず冒頭を読んでみて、それから少し先の展開を確認する。そこで「面白そう」と思われた作品だけが買われていくのです。

 第1話から継続して読んでくれる人だけを意識するのは、小説のありようとしては間違えているのです。


 「面白い」と思わせるだけの分量を一挙に掲載して、「様子見」する人を減らすこと。

 「様子見」は結局あなたの小説からフェード・アウトしていく人でしかありません。

 であれば、「読み続けよう」「見切ろう」とはっきり切り分けたほうが、それ以降のPVを維持するには有効なのです。




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