第6話◯あぁ、世界ランクが上がる音
『位階の上昇が完了しました。劣伍位から
意識が覚醒すると同時に、あの機械じみた音声が聞こえてきた。
首を巡らせて、周囲を確認する。
これといって変化もないし、何かの気配が感じられたりもしない。
自分の体も確認してみるが、そちらも別状はない。
丈夫で健康なホネホネがそこにあるだけだ。
まぁ、それが通常という風に捉えるようになってしまった、というのはある意味では異常であるのだが。
とりあえずそれはそれとしておいて。
どうやら位階の上昇は無事に終わったらしい。
盛大なフラグを立てた気がするけど、へし折ることに成功したか。
まぁ、たかが数十秒で死に至るなんてことも、確率はかなり低いんだけどね。
……しかしなぁ……、何が変わったのかと言われれば、何が変わったんだろう、と首を傾げざるをえない。
見た目が変わることもなければ、力が滾っているなんてこともない。
もっと劇的な変化がある……と思っていたわけではないけど、それにしても…である。
まぁ所詮、ワンランク上がったところで……って感じか。
一応、詳しい変化が見たいところだが。
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個体名:ーーー
種族名:スケルトン
位階:
存在値:220
[能力]
生命力:275/275
魔力 :20/20
攻撃力:33
防御力:33
抵抗力:22
敏捷力:11
[称号]
[スキル]
【META】【密化】
[特性]
【骨の身体】【アンデッド】
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そのボヤきに対応するかのように、目の前にウィンドウが展開された。
音声認識機能はバッチリなようだ。
声に出してないから、ちょっと違うか。
で、えーっと。
さっきの能力がどれくらいだったのかをもう覚えてないけど、キリが悪くなってるあたりちょっとだけ伸びたようではある。
渋い変化ではあるものの……。
たしかに伸びているということは喜ばしい。
努力が目に見えるというのは、やる気が断然に違くなるからな。
まだなんの努力もしていないのは置いとくとして。
これを積み重ねていけば凄い境地に至れるかもしれん。
こんな骨状態になって何を目指していけばいいのかわかんないけど、ひとまずは位階とやらを上げることに専念すべきか。
上げといて損することはないはず。
こういう数字は上げ得だからね。
そうと決まれば、善は急げだ。
位階を上げるための存在値は、たしか『世界に影響を与えることで手に入る』って説明されてたっけ。
なんだか壮大な感じだけど、あの俺と同じ底辺みたいな骸骨を倒したくらいで手に入ったのだから、獲得自体はそれほど難しくはないのかもしれない。
生物を殺す……及び生物かは諸説あるけど同じ人の形をした骸骨を倒すのは、なんだか気が引けてしまうけれど。
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