やっぱり男の子な大人たち
「なーなー、お前ってむね派?それとももも派?」
いつもお前は唐突だ。
「…………俺の好みがお前に関係あるのか?」
「あったりまえだろーが!お前!友だちの好みは知っとかなきゃまずいだろーよ」
「そういうもんか?」
「おうよ!それに好みがバラけたら取り合わずに済むだろーよ!」
「たしかにな…………。そういうお前はどっち派なんだ?」
「そーだなー…………やっぱり俺はむね派だな!むねってたしか疲労回復の効果もあるらしいぜ!科学的に証明されてるらしいぜ!」
「そうなのか……知らなかった」
「だろだろー!ムッツリくんはどっち派なのかな?(ニヤニヤ)」
「ムッツリくんやめろ…………」
少しばかり考える。
「…………どっちかといったらもも派かな、程よい脂肪がのってるとなおよし」
「ふーん…………やっぱ、お前って期待を裏切らない良い奴だな!」
ゲラゲラと笑いながら、なんだか不服なことを言われている気がするが、
「黙れ!俺はおまえが時たま本当に鬱陶しく感じる………」
「たまにってとこが優しいよな…………なんかこんな話してたら滾ってきたぜ!今から俺ん家でやろうぜ!もちろん女の子は俺が呼ぶぜ!!」
目がキラキラしてやがる。
こいつがこのモードに入ると俺が何言っても無駄だ。
「…………はぁー。全部お前に任せる」
「よーし!そうと決まれば今すぐ買い出しだー!行くぞ!!」
「ちょっ、ばか、置いてくな──────。」
ぐつぐつ。
「えーではでは皆さん、この度はわたくしの家にお集まり頂き、誠にありがとうございます!」
「「「いぇーい!!」」」
「えーではこれより、第1回『鍋パーティー』with俺ん家!始めまーす!!」
「「「いぇ────い!!!」」」
ガヤガヤ。
「あ、お前もも派だったよな!ほらよ」
そういって俺の皿にはもも肉が入れられる。
「その代わりむね肉あったら俺によこせよ」
「もちろんだ」
ふー。
今日は寝れそうにない。
長い夜になりそうだ。
男はいつまで経っても煩悩だらけ 紅野素良 @ALsky
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます