174 ヴァイスとカルタ①
「悪いなカルタ。せっかくの
「全然! もう全然だよ! やることなんてなくて! 1人で瞑想なんかしちゃってるくらいで! うん!」
「そうか、なら良かった」
「う、うん!」
どうやらそうとう暇だったらしい。なんだか頬が赤いが。
俺とカルタは馬車に揺られていた。
行き先は王都だ。
シンティアも家の用事で王都にいるらしく、後々合流するかもしれない。
手紙鳥をリリスに任せているので、俺が王都に到着することは知っているだろう。
「でも、ヴァイスくん優しいね。ベルク君、すっごく喜びそう」
「まあ一応先輩だしな」
きっかけは、一通の手紙だった。
といっても、ベルクから来たわけじゃなく、フリーデ家、つまりベルクの父からの手紙だ。
要約すると、息子と幼馴染の女の子を少し鍛えてほしいとのことだ。
驚いたことに、そこには父、アゲート・ファンセントのサインもあった。
俺はまったく知らなかったが、古くからの知り合いだったらしい。
フリーデ家は生粋の名門で、代々王家直属の護衛を担ってきた。
原作でベルクはノブレスに来る予定はなく、エリートコースまっしぐらだ。
最終局面でアレンと出会い、そこでひと悶着ありつつもお互いに共通の敵と戦う。
それ自体もメインエピソードではなくサブエピソードで、俺も思い出すまでに時間がかかった。
だがあいつは、大会での俺を見てノブレスの入学を決めた。
つまり面倒だが、俺はあいつの人生を変えた責任がある。
今でも十分強いが、未来を変えない為にももう少し手ほどきしてやるべきだと思ったのだ。
まあ、父からのお願いってのもあるが。
そこで俺はカルタに連絡を入れた。
飛行魔法はまだ完全習得できていない高難易度の技だ。
元々訓練の予定ではあったが、どうせならと手紙を送った。
「――♪ ――♪」
ま、鼻歌を歌うぐらいには、暇をしていたらしい。
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