11話

塩の匂いが香ってくる。アリサが魔法で作ったと言ってはいたが、魔法で作ったにしては、本物と何一つ変わらないものだった。


「ねえ、これどうやって作ったの?土地とかどうしたの?」

「それはですね!邪魔だった魔女協会の土地を更地にした後、魔法で凹ませて、海水を充満させたんです」


笑顔でサラッとやばい発言をするアリサに私は逆らっちゃダメなんだと自覚させられる。

というかなに?魔女教会を滅ぼした?一体どうやって?いや待てまず師匠の私としても驚いてるんだけどこの子、神かなにかなの?


「まあそんなこと気にしないでこれに座ってください」


彼女がそう言って私に見せたのは3角木馬とかいうやつだった。そんなのに乗りたくない私は首を横に振る。


「しょーがないなーならこれに座ってください」


彼女が渡してくれたのは、インフィニティチェアを出してくれて、魔法で出した3角木馬を消してくれる。


「そういえばリリィさん足大丈夫ですか?魔法で回復はさせてんですが」

「うん痛みはなくなってはいるけど」

「足は動きますか?」

「それは前に比べたら…」


前に比べたら動けるようにはなってはいたが、それでもやっぱり数時間動かすと痛みが来てしまうほどだ。アリサ曰く、休まずバイトをしていて、そのために魔法を身体に掛けすぎた負荷が今来ているみたいらしい。


「なんかごめんね。海作ってもらったのに」

「そんなに気にしないよ!だって山だろうと森だろうと口だろうと更地にすることも海にすることも簡単だからね!」

「…」

「それに今回は海を見るのとリリィさんの水着を姿を見るためだけなので気にしないですかだサい」

「…」


やっぱりうちの弟子は、頭のネジが外れている上に力もあるせいでやりたい放題している。私は初めてこの子を育てた事を後悔しているかも。


「私は後悔してませんよ!リリィさんに育てられたおかげで永遠の嫁を手に入れたんですから!」

「なるほど」

「というかこんな話してるなんて勿体ない人工海楽しみましょ」


私は海の中に入る。海の中は気持ちよく暖かった。もう少し冷たくても良かったような気はしたけど気持ちよさでいったらこの海はダントツだー

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