8話

旅を終えてちょうどお昼時だったので、家に帰る。家の中に入るとすぐそこには、あの子がいた。


「師匠〜準備が出来たんで目隠ししてくれませんか?」

「うんいいよ」


目隠しをすると手に何かをはめられる音がする。暴れないために手錠をつけたのかな…どうせもう暴れるほどに体力も力も何も残っていないのに…というか魔力も尽きたしね。


「師匠〜じゃあ目隠し外しますね。」


彼女がそういうと目隠しが外れて今の状況がゆっくりとわかっていく。

私は気づくとそこには大量のケーキと美味しそうな食べ物が沢山あった。


「師匠は、最近何も食べてないんですよね?だから美味しそうな食べ物を沢山用意してあげましたよ!」

「いやそのお腹すいてないというか…」

「えーせっかくこんなに用意したのに〜」


胃袋が小さくなったんだと思う。何も食べてこなかったからだろう。その後直ぐに彼女は、手錠を外してくれたのだが、腕を上げることすらできなくなっていた。


「手錠に魔力を一時的に奪う魔法を掛けてたとはいえ、まさかここまでとは…」

「へ?」

「とりあえず師匠ご飯を食べますよ」


彼女はそう言って私の口に料理を入れてくる。だがその料理も口には入ったが直ぐに吐いてしまう。体が拒否反応を起こしているのか本当に食べる事が出来なかった。


「うーん少し計画が狂ったな…」


そう彼女は言っていた。計画とはなんのか分からないけどこの食べ物を食べないと進まないのかな?だったら、無理してでも食べないと…


「ねえ、その料理もう一度食べさせて?」

「ん?あーはい」


彼女はそう言って今度はスプーンの4分の1の量しか入っていなものを食べさせてくれる。口に入れるのはいいけど、胃の中に入れるのは拒否反応があるのか、吐き出そうとする。それを無理やり飲み込んでみる。


「師匠〜しんどいなら無理しなくていいんですよ〜」

「でも」

「今日はこれにサインして貰うだけにしたので無理して食べなくていいですよ」


そう言いながら彼女が出してきたのは婚姻届だった。その婚姻届には、名前が書いてあって夫の所には、アリサという名前が書いてあって、証人の欄には私の師匠である。ファンの名前が書いてあった。


「ねえこれなに?」

「師匠と私の婚姻届ですよ。これを書けば私たちは夫婦になれるんです!」


彼女はとても嬉しそうに言ってくれてはいるけど、どうしても気になる事がある。


「なんで、私と貴方が結婚しないといけないのかしら?」

「夫婦になりたいからです!」

「私を殺さなくていいの?私は貴方の親を殺したのよ?」

「うーん別にいいかなお母さん達も師匠のこと恨んでなかったしね。それとこれからは師匠は、私が管理しますから私の言うことには従ってくださいね。逆らうなら魔法で従わせますけど…」

「あっはいわかりました」


この時私は弟子から逃げれないのかもと思ってしまった

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