魔法探検俱楽部は?????????
ああ、ここに来たのは正解だった。
国が支援する魔法協会、亡国ファインブルクの調査団、ベリオドールの諜報部隊等々。
何処よりもこの学生クラブの方が貴女について調べが進んでいる。
まあ、記録の断片故に、曖昧な点も多いのだが。
それでも、貴女の事をもっと知ることができるのならば。
魔女の誘いに乗るのも案外悪くない。
……原罪のシルヴィア。
貴女の死に関わる者がこの魔法探検倶楽部にいるのだから。
あの者は、あの時、あの場所で、何を見たのか。
その真実が知りたいのだ。
だから、俺はここにいる。
この倶楽部は、まさに貴女の生き様と死を強く感じられる。
生命の実を喰らった原罪。何故貴女は自身の命を捨てて、その実のすべてを俺に注いで産み落としたのか。
魔王の恩恵を受けた生命の実を貴女が使えば、今も笑って生きていたはずなのに、何故行使しなかったのか。
ああ、今になって思えば、それは貴女が母として、我が子を守る為だったのではないか? 貴女は、魔王と契ってでも子を、俺を守りかったのか?
後世に裏切り者と後ろ指刺されても。我が子が、俺が、生き延びれるように。
ただ、それだけを願って。
……貴女の想いをどう受け止めていいのかわからない。
母殺しの咎を、貴女はどんな思いで受け止めていたのだろう。
そして、俺が犯した罪は許されるのだろうか。
母である貴女の命を犠牲に生まれ落ちた罪を。
俺には分からない。
分からないからこそ、答えを求めて、俺はここにいる。
貴女の生と死の真相を確かめる為に、ここにいるんだ。
それが、今の俺にとって生きる意味なのだから。
願わくば、その先に俺の求める答えがあるように。
……でなければ、貴女の死が無意味になってしまう。
俺の願いはそれだけなのだから。
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